イスラエル代表G大阪MFラビが紹介 日本と対戦するU23母国代表「このチームはスペシャル」

ガンバ大阪のイスラエル代表MFネタ・ラビ(27)が、30日(日本時間31日)にパリ五輪でU-23日本代表と戦うU-23イスラエル代表について取材に応じ、48年ぶりに五輪出場する母国の五輪代表チームについて語った。(取材日・7月24日)

自身もU-21イスラエル代表歴があるラビは、五輪を目指して戦ったことはあるが、五輪欧州予選を兼ねたU-21欧州選手権の本大会への出場すら届かなかったという。五輪出場へのハードルの高さを身をもって知るラビは、後輩たちの出場をこう語る。「僕たちの時は予選敗退。本大会に出るのも難しい。だから、本大会に出て(五輪出場権を獲得する)準決勝までたどり着くというのは至難の業。今回で言えば、ドイツも敗退しているぐらい。それだけに功績は大きい」。

48年ぶりの五輪出場には、イスラエル国内も非常に盛り上がっているといい、ラビも「U-21欧州選手権、23年U-20W杯アルゼンチン大会(初出場で3位)の世代が、うまく融合して今回のオリンピックに出るので、非常に楽しみにしている」と期待を寄せている。

では、五輪に出場しているイスラエル代表はどんなチームなのか。6年前に自身のコーチでもあったガイ・ルゾン監督についてラビは「若い世代の監督には非常に適してる人物」と語り、選手は「自己中心的ではない選手が多くて、献身的にチームのために犠牲になれる選手が多い」と印象を話した。

“黄金世代”と評されることも多いイスラエル代表の中心は、23年からレッドブル・ザルツブルク(オーストリア)でプレーするMFオスカル・グローフ。A代表で数回一緒にプレーしたことがあるというラビは、「自分が思うには、黄金世代と呼ばれている中でもベストなプレーヤー。トップ下タイプで、非常にボールの扱い方がうまい。そこからゲームの指揮をとっていくような、ゲームをさばいていくような選手。五輪では彼の質が十分に証明されることを僕は信じている」とその能力の高さを評価する。

質の高い選手がそろう“黄金世代”に加え、オーバーエージ(OA)にはA代表のMFオムリ・ガンデルマン(ヘント)、DFショーン・ゴールドバーグ(マッカビ・ハイファ)、GKダニエル・ペレツバイエルン)が招集された。しかしペレツが直前に負傷離脱することに。これにラビは「バイエルンに若い年齢で行くだけあって、いい選手であるのは間違いない。彼のクオリティー、存在感がなくなってしまったというのは、若干影響があるのかなと思う」と不安を口にした。

それでもゴールドバーグの存在がチームの力になるという。「ショーンだけが欧州選手権には出ずにオーバーエージ(OA)として招集されている。ショーンの人間性、引っ張る能力が評価されたからこそ、OAとして入ってると思う。所属するマッカビ・ハイファは五輪出場におそらく難色を示したはず。ただ欠かせない選手ということで、最終的には友好的に彼を快く送り出したんだと思っている」と重要な役割を担う選手として名前を挙げた。

イスラエルの五輪代表チームの戦いについては、A代表でプレーしている選手も多いということで似たスタイルになるという。ラビは「今のモダンフットボールに則ったプレーが多い。もちろん、ポゼッションでボールをやっぱり握る時は握って、カウンターで行ける時には速くいくという、機動力もあるサッカー。攻撃的な選手が多いのは確かなので、その強みを見せていく方が、勝利の可能性は高くなると思う。このチームはスペシャルだと感じている」と攻撃力を生かした戦いを期待する。

Jリーグで戦うラビは、日本にも高い評価。「日本の選手が素晴らしいというのは、自分はもう肌で感じている。インテンシティー(強度)が高いし、欧州でプレーしてる選手もいる。単純比較はできないが、日本とイスラエルの試合は良い試合になると思う」と自身が関わる国同士の戦いを楽しみにした。

最後にラビは母国の状況もふまえて、五輪出場への意義も口にした。「いろいろな状況があるが、イスラエル代表として平和の祭典に、平和を求めて参加をすることに意義があると捉えている。自分たちは大きな国ではないが、それでも見せられるというものがあるということを、しっかりと世界にアピールする場でもあると思う」と話した。

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