異次元のスピードで2点演出のG大阪MF山下諒也「あの悔しさがきょうのプレーにつながった」

◇明治安田J1リーグ第22節 G大阪4―0横浜(2024年7月6日 パナソニックスタジアム吹田

ひとたびボールを持つと、スタジアム全体が大歓声に包まれる。1メートル66と小柄ながら、爆発的なスピードと強気のプレーで今や欠かせない戦力。19年・札幌戦以来5年ぶりとなる4点差勝利に貢献したのは、MF山下諒也(26)だった。

「自分の役割を全うできた。自分が入ってチームのプラスになるようにと思っていた」

2点リードの後半6分に投入された。そして同25分、スタジアムの大歓声に乗ってドリブルで右サイドを切り裂くとエリア内でPKを獲得した。「ゆっくりするところと速くするところの判断で“行くべき”と思った。相手の懐に入っていく狙いでドリブルした」。そして試合終了間際には味方のスルーパスに反応して、右サイドから中央へフリーラン。そして横浜DF陣4人の意識を引きつけると、空いた右サイドのスペースに走り込んだFWジェバリにパスを通してアシストをマークした。

チームは湘南戦、柏戦、神戸戦と2点リードした後に1点を返される試合が続いた。この日もMFウェルトンがGKの1対1や決定的なシュートを外すなど、少し嫌なムードが漂っていたが、それを切り裂いた。

前節のうっぷんを晴らす舞台だった。リーグ10試合ぶりの黒星を喫した町田戦。スタメン出場したがパリ五輪代表DF半田陸の退場を受け、前半37分で交代せざるを得なかった。チームも逆転負け。試合後は「次に取っておきますよ」と強気に言い放っていたが「あの悔しさが今日のプレーにつながった。何よりもサポーターと喜べたことが嬉しい」と笑みを浮かべた。

サポーターをあおる熱さ、PKを獲得した時の大きなガッツポーズと咆哮(ほうこう)。「自然に出てしまうし、恥ずかしいです」と照れるが、クールな選手が多いG大阪では“異質”な存在。だが、それが良い。

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