町田のU―23日本代表FW藤尾翔太「決めたらなんでもいい」“水かけPK疑惑”で騒動も今季8点目

◆明治安田J1リーグ▽第21節 G大阪1―3町田(30日・パナソニックスタジアム吹田)

J1は7試合が行われ、町田は3位G大阪に3―1と勝利し、首位をキープした。先取点を許す展開となったが、途中出場したU―23日本代表FW藤尾翔太(23)が、1―1の後半16分に自ら得たPKを決めて逆転。今季8点目と、7月3日のパリ五輪メンバー発表を前にアピールした。一方、2位鹿島はアウェーで4位神戸に1―3と敗戦。これで首位町田と2位鹿島の勝ち点差は5と広がり、J1初昇格初優勝を狙う町田が頭一つ抜け出した。

敵地の空気にも、藤尾は落ち着き払っていた。自ら得たPK。「僕が取ったら、蹴っていいよって言われていたんで。譲ることもなく。自信があったので蹴りました」。相手GKへの大歓声が響く中、落ち着いて動きの逆に転がし、冷静にゴール中央付近に流し込んだ。

PK前には、思わぬ“トラブル”もあった。ボールを持ってゴール横のボトルへ向かうと、G大阪の選手たちに囲まれてボールを奪われた。5月19日の東京V戦、PKを決めた藤尾は、キック前にボールに水をかけたことが話題に。ボールの滑りをよくするための工夫だったが「(今日は)かけようと思っていなかった。芝が濡れていたので。水を飲みたかったんですけど」。思わぬ圧を受けたが、冷静さは失わず「決めたら何でもいいんで」と言い放った。

前節の神戸戦では結果を残せず、この日はベンチスタートに。「悔しかったですけど、途中から絶対出ると思っていたので。また結果を残して、ポジションを取りたいと思っていました」と、代表発表前のラストゲームで結果を残した。

前半33分にG大阪のU―23日本代表DF半田陸が退場したとは言え、同アディショナルタイムに得意のロングスローからFWデュークの得点で追いつき、藤尾のPKで逆転。さらに後半24分には、前回対戦で退場したMF仙頭のゴールでリードを広げた。黒田剛監督(54)は、今季のターニングポイントとしていた前節の神戸戦(0△0)、G大阪戦の上位対決を1勝1分けで乗り越え「最悪、2連敗したらもう首位浮上できなくなるくらいの危機感にさらされながら後半戦に入ったんですけど、1勝1分けは上々の出来」と振り返った。J1昇格1年目での初優勝を目指す町田が、夏の“天王山”を制した。

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