サッカーコラム J1リーグ戦、後半戦最初の2試合が首位・町田の正念場

【No Ball、No Life】「明治安田J1リーグ」は23日、前半戦の19試合が終了(横浜Mと鳥栖は1試合未消化)。今季J1初参戦となった町田が、12勝3分け4敗勝ち点39で、2位鹿島に同2差の首位で後半戦へと折り返した。

0―0で引き分けた第19節福岡戦(22日)の試合後、黒田剛監督(54)は「目標はあえて高く掲げてここまできた。首位争いには驚きを隠せない一面もあるが、ブレずに進んでいきたい」と前半戦を回想。今季加入した元日本代表DF昌子源(31)も「初挑戦にしては上々。偶然でなく必然だと思いたい。町田のコンセプトを遂行できた試合は勝ち星を拾えた。チームの自信になってきたのは間違いない」と振り返った。

原靖フットボールダイレクター(FD)も前半戦を総括し、「快挙と言いますか、予想以上の成績。黒田さんのマネジメント、黒田さんのやろうとしていることを選手たちが忠実に遂行したことが、今の成績につながっている」と語った。チームのコンセプトは「失点をしない」「縦に早いサッカー」。J2から志向するこのサッカーが、チームに少しずつ浸透。J1の前半戦で奏功した。

町田にとって本当のJ1の戦いは後半戦から。“新参者”としてJ1で前半戦を首位で折り返すのは、町田が史上初のクラブ。後半戦へ、黒田監督は24日の練習で「J1初参戦のチームが首位で折り返すのは史上初だ」と選手たちをたたえた。その一方で「この2試合で負けたら、一気に落ちるぞ」と気を引き締め、後半戦最初の2試合がターニングポイントになると見解を示した。

指揮官が警戒する2試合は、後半戦初戦となる神戸戦(26日、ノエスタ)とG大阪戦(30日、パナスタ)の関西2連戦。前半の対戦ではG大阪と1―1で引分け、神戸には1―2で惜敗。ともに白星を逃した相手だ。昨季王者で現在4位につける神戸と、5連勝中と好調な3位G大阪との2度目の顔合わせ。黒田監督も「ここからの相手は『町田潰し』でくる。神戸、そしてG大阪に負けたら順位は一気に落ちる」と後半戦の行方を占う上で上位チームとの2連戦は重要な位置づけであると説いた。

目標は「5位以内」と慎重な姿勢をみせる黒田監督。復権を狙う鹿島、G大阪に連覇を狙う神戸ら強豪相手に“下克上”をもくろむ。(一色伸裕)

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