「UMBRO」100周年、オンリーフットボールブランドとして次の100年へ 北川信行の蹴球ノート

英国発祥のスポーツブランド「UMBRO(アンブロ)」が今年、設立100周年を迎えた。日本では1998年に商標使用権を取得した株式会社デサントがサッカーに軸足を置いた「オンリーフットボールブランド」の形で、製品開発や販売を行ってきた。取材に応じたアンブロのマーケティングを担当する松井徹部長代行は「アンブロは伝統と歴史があり、その中で新しい製品を生み出してきました。常にブランド自身を刷新し、消費者やユーザーの動向、社会の変化に合わせて発展してきました。多くの人たちと一体感を持って取り組んできたことが、ブランドとしての財産になっていると感じています」と節目の年を迎えた感慨を話した。

■サッカーにつながる全ての人と一緒に アンブロの特徴の一つが、ひし形を重ねた「ダブル・ダイヤモンド」のロゴだ。関西ではサッカーJ1、ガンバ大阪のユニホームサプライヤーを長年務めていたことを知っている人も多いだろう。ただ、サプライヤー契約が終了した今も、大阪府堺市にある堺市立サッカー・ナショナルトレーニングセンター(J-GREEN堺)をはじめとしたサッカー場を訪れると、多くの選手がダブル・ダイヤモンドのグッズを身に付け、ボールを蹴っている姿に出くわす。それほど、サッカー関係者にはなじみ深いブランドだといえる。

「長くサプライヤーを続けてきましたので、かつてはアンブロの象徴は日本ではガンバ大阪さんだったのかなとは思っています。契約に関しては一旦終わりましたが、チャンスがあればまた(いくつかのJリーグクラブのユニホームサプライヤーとなることを)取り組んでいきたいと考えています」と将来を展望した松井部長代行は「われわれはサッカーを中心にした、オンリーフットボールブランドですので、サッカーに関してはカテゴリーに関係なくこだわりを持っています。特に育成年代から大人になっていくところは、モノづくりもそうですし、プレーをする機会を提供する大会もそうです。一緒に成長していけるブランドになっていきたいと思っています」と強調する。

手掛けていることの一つが、「UMBRO CUP(アンブロカップ)」の開催だ。もともとは1995年にイングランドで催されたサッカーの国際親善大会が発祥だが、日本国内では育成や普及に主眼を置き、小中高校生の大会を主催してきた。昨年はU-18(18歳以下)やU-12(12歳以下)、女子などの大会を11会場で開催し、延べ169チームの3155人が参加した。「大会は非常に大事だと思っています。私たちが競技やプレーヤーに接する機会をつくるのが大切で、そういうことが一緒にブランドを育てていくことにつながると思います」と松井部長代行。加えて「現場」を意識し、現場でサッカーに関わる人たちに寄り添った製品開発も進めてきた。

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