【G大阪】32歳宇佐美貴史“進化形”のプレーで4連勝導く「違う自分を表現できているのかな」
<明治安田J1:G大阪2-1柏>◇16日◇第18節◇パナスタ
ガンバ大阪FW宇佐美貴史(32)が、攻守にわたる活躍で4連勝に導いた。
柏レイソルに2-1で3位を堅持。前半15分に今季7点目となる先制弾を決め、同26分にFKからMF山田康太(24)の追加点を呼び込んだ。果敢なプレスでも走り続け、攻守両面でチームをけん引。進化したエースが、昨季は残留争いにあえいだG大阪を上位に定着させつつある。2位鹿島は新潟と1-1も9戦負けなしとし、神戸は川崎Fに1-0で勝った。
宇佐美が、過去とは違う“進化形”のプレーで、あらためて天才ぶりを見せつけた。前半の先制弾は、万全の状態だからこそ決められたものだった。左でキープしたMFウェルトンからペナルティーエリア内でパスを受けると、DFの動きを見極めて切り返し、右足でフィニッシュ。「こける可能性があったぐらい直前だった。ギリギリでその判断を変えられるのはいい状態」。エースは心身の充実からの一撃に胸を張った。
「プラチナ世代」の筆頭格としてその名を知られたが、若い頃はオフ・ザ・ボールの動きの少なさに苦言を呈されることもあった。しかし32歳となった今、裏のスペースへのランを繰り返し、最前線でプレスに走ったかと思えば、危機では懸命に自陣ゴール前へ戻って体を張る、ハードワーカーぶりを見せる。「幅が広がった。攻撃作り、フィニッシュ、プレスバック、メンタル面、チームに対しての働きかけ、全てやれてるなという感じがする」。残留争いに苦しみ、涙をも流した昨季を味わい、力強さを増した姿がそこにある。
「今までのキャリアの中でも、ちょっと違う自分を表現できているのかなと思う」。そう言い切るまでの変化を見せる背番号7の最盛期は、まだ始まったばかり。チームも2位鹿島に勝ち点2差とし、次から4位神戸、鹿島、首位町田との3連戦に挑む。【永田淳】