【G大阪】3戦連発の今野泰幸が後悔したミス。1点リードできたからこそ余計に“あの3点目”が要らなかった… SOCCER DIGEST Web 12月6日(日)11時20分配信

「あれがなければ、もっと余裕を持って戦えた」と改めてミスを悔やむ。

 ワールドカップに二度、オリンピックにも一度出場し、Jリーグ、ナビスコカップ、天皇杯の3大タイトル獲得経験も6度にのぼる――。そんな経験豊富な今野泰幸にとっても初のチャンピオンシップは「サッカーの怖さを改めて思い知らされた」大会になったという。

「ひとつのミスが勝敗を分け、それが結局、最後まで響いてしまった……」

「ひとつのミス」とは言うまでもなく、3日前のチャンピオンシップ第1戦の90+5分に自身が犯し、サンフレッチェ広島に決勝点を与える要因となったスローインミスである。

「もちろん、しっかり切り替えて今日を迎えました。挽回してやるという気持ちがなければ、ピッチに立つ資格はないから」ときっぱり言ったが、一方で、「あ れ(自ら与えた広島の決勝点)に尽きる。あれがなければ、もっと余裕を持って戦えた」と改めて悔やんだ。第1戦で与えた“余計な1点”が、ガンバ大阪を最 後まで苦しめることになった。

広島が3-2で第1戦を制して迎えた第2戦。前半から主導権を握ったのは、1点のビハインドのビハインドを負うG大阪だった。

米倉恒貴と阿部浩之の右サイドからのアタックに宇佐美貴史が絡み、広島を自陣に釘付けにする。長谷川健太監督も「素晴らしい戦いだった」と賞賛した前半の戦いぶり。今野も「思ったよりもプレッシャーがなかったし、やれる感じがありました」と振り返る。

27分には遠藤保仁のCKを今野自身が右足で捉え、G大阪が待望の先制点を奪う。この時点で2試合合計スコアは3-3。しかし、アウェーゴール数の多い広島が依然としてアドバンテージを握っていた。

G大阪は後半に入ってパトリック、倉田秋を投入し、攻撃への圧力をかけたが、守備を固める広島にことごとく弾き返され、逆に76分に浅野に同点ゴールを許してしまう。

「とにかく勝ちたかったし、誰でもいいからゴールを決めてほしいと思っていた。みんながシュートを打つ時には、祈っていたんだけど……」

幸いにもG大阪と今野のシーズンはこれで終わりではない。

 今野は言葉を吐き出すように言った。

「1点取れたということで、畳み掛けたかったんですけど、最後の迫力が出なかった。1点取られてからは、2点取らなければならなくなってので、かなり苦し くなった。もし、第1戦を2-2で終わらせられていたら、1-0でリードしていた時、もっと余裕を持ってボールを回せたと思うし、相手が出てこなければな らない状況になったから、カウンターも利いたと思う。だから、“あの3点目”が本当にもったいなかった」

今野自身は準決勝から3試合連続ゴールという活躍を見せたが、それも「優勝していれば大満足ですけど、優勝を逃せばなんの意味もなさない」と嘆いた。

だが幸いにも、G大阪と、今野の今シーズンはこれで終わったわけではない。タイトルを獲得し、雪辱を果たすチャンスがまだ残っている。昨季三冠を達成し ながら、今季はまだ無冠だが「今年はチームとして我慢ができるようになっていて、チーム力は去年よりも上がっていると思う」と今野は力強く言った。その視 線は天皇杯制覇に向けられている。

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