「家長君のひらめき」「あのワンステップで…」G大阪・宇佐美貴史が目前で見た川崎・家長昭博のアシストを賞賛……「フロンターレの強さと魅力が詰まったゴール」
試合が終わると、ガンバ大阪の宇佐美貴史は小走りを見せた。向かった先は、川崎フロンターレの家長昭博の元だ。家長はアウェイまで応援に駆け付けたサポーターの元へと挨拶に行く途中で、宇佐美から話しかける形で握手をする。このタイミングを逃してはいけないとするような宇佐美の気持ちが見えた場面だった。
■【画像】「家長君のひらめき」「あのワンステップで…」とG大阪・宇佐美貴史が称賛した、「川崎・家長昭博のアシスト」■
その後、ミックスゾーンに姿を現した宇佐美は、逆転勝ちしたことについての気持ちを聞かれると、その家長の名前を出している。この試合は川崎が前半26分に先制。家長昭博の意表を突いたタイミングでのパスを、瀬川祐輔が頭で合わせて決めたものだったのだが、その家長のプレーと一連の流れを敵ながら賞賛するものだった。
「家長くんのひらめきというか余裕というか間合い、あのワンステップでは質の高いボールを蹴ってそこにしっかり入ってこれるっていう、フロンターレの強さというか、魅力というか、そういうのが詰まったゴールだったと思います」
その家長にボールを渡した遠野大弥のプレーもヒールパス。受け取った家長は、最初、後ろを縦に走る佐々木旭にヒールパスを送るような素振りを見せながらそれをキャンセルし、その流れでアシストにつながる浮き球パスを出していた。宇佐美は、「ペナの中にほとんど全員帰っていた中でやられてるから、もう相手を褒めるしかない」とも振り返った。
■宇佐美貴史は勝利につながる2アシスト
今の年齢で5つ離れているが、2人はガンバ大阪の下部組織からトップチームに昇格する形でプロ入りした共通点を持つ。そんな“先輩”のアシストを目前で見た宇佐美は、先制点を許したわずか2分後の前半28分に中谷進之介の同点弾をアシスト。さらに後半25分には福岡将太の逆転弾をもアシストしている。
どちらも高精度のキックからもたらしたもので、特に1点目は、中谷に当たっていないようにも見えるほどのボールだった。宇佐美は、「触ってないでしょ、あれ(笑)。それはほんまにJリーグにちゃんと解析して欲しい(笑)」とおどけて見せたが、「いや、でもああいう狙いです。触ったら入る、触らなくても入るっていうようなボールを狙って蹴ったつもりですし、そこがうまくいった」と狙い通りであることを明かした。
試合は3-1でガンバ大阪が勝利。雨にもかかわらず2万4754人が駆け付けたスタジアムで、それぞれの攻撃のキーマンが魅力あるプレーを見せた。共鳴するかのようですらあった2人の美技は、次回の対戦でも披露されるのか。期待は募る。