G大阪、守備力向上あとは得点力 順調発進も10位 今が我慢の時
J1リーグは序盤の8試合を終え、関西4クラブの成績は明暗が分かれた。設立30周年の節目を迎えるC大阪は、クラブ新記録を更新する開幕8戦無敗(5勝3分け)で、4季ぶり首位浮上。一方、3季連続の2ケタ順位から巻き返しをはかるG大阪は、開幕5戦負けなし(2勝3分け)と滑り出しは順調だったが、10位にとどまる。4位・神戸、18位・京都を含め各チームの現状にはどんな要因があるのか、今後のポイントは何か。担当記者が迫った。
G大阪は戦いぶりこそ安定したが、10位と結果がついてこない。原因は計7ゴールとリーグワースト3位タイの得点数。上位争いに加わるには、開幕3戦連続ゴールなど好調な元日本代表FW宇佐美貴史(31)に続く得点源が求められる。宇佐美は、チームが3試合連続ノーゴールに終わった10日の横浜M戦後「悲観する内容ではない」とした。好機を数多く作れている手応えは、つかんでいる。
一方、攻守両面で今季、飛躍的に改善したデータがある。「こぼれ球の奪取(敵味方がクリア、シュートブロックなどを行ったボールに触れたプレー)」だ。中盤でのボール争いを制すれば優位に立てるが、Jリーグによると、8試合を終えてのG大阪のこぼれ球奪取数はリーグ最多の328。1試合平均41度は、リーグ10位の32・3度だった昨季から大きく増加した。
これはチーム全体の守備意識の高さにある。「前線の選手が去年以上に走って守備してくれる。DFラインも細かく上げ下げして、縦横の幅を狭くできている」とU―23日本代表DF半田陸(22)。陣形がコンパクトで、選手間の距離も適切だからこぼれ球が拾える。昨季リーグワースト61失点を喫した守備陣が、今季は8試合で7失点に抑えられている要因でもある。
あと必要なのはゴールを取り切ることだ。就任2季目のポヤトス監督(45)も「監督としての仕事は引き続き、いかにチャンス数を作らせるか」と解決策を探る。今は我慢の時。ゴール前でのワンプレーがかみ合えば、一気に上昇できる可能性は秘めている。(種村 亮)