【パリ行きの命運を託された23選手】世代屈指のゲームメーカー、山本理仁が今大会も中盤でタクトを振るう
パリ・オリンピックのアジア最終予選を兼ねるAFC U23アジアカップが15日に開幕する。出場16カ国が4組に分かれてのグループステージから始まる五輪出場もかけた戦いは約2週間ちょっとのスケジュール的にも勝ち上がれば勝ち上がるほど総力戦が必至。ここではパリ行きの命運が託されたU-23日本代表の23選手を紹介し、山本理仁にフォーカスする。
■山本理仁(MF/シント=トロイデン)
Jリーグ屈指の育成力に定評のある東京ヴェルディのアカデミー育ちで、2019年に高校2年生でプロ入り。いわゆる飛び級でプロの世界に飛び込んでからというもの、東京VではJ2リーグが主戦場ながら1年目から戦力となり、20歳にして通算100試合出場を数えた。
そんな左利きの司令塔が大きな決断をしたのが2022年夏。ガンバ大阪でのJ1リーグ挑戦だ。ただ、慣れない関西の地では移籍早々に左足甲の骨折がわかり、新天地デビューは10月になってから。結局、そのデビュー戦を含む2試合に途中出場したのみに終わった。
ダニエル・ポヤトス新体制のもとで迎えた2年目でもレギュラー定着とまでいかないなか、公式戦15試合出場と出番を増やしていったが、その夏にシント=トロイデンでの欧州挑戦を決断。今夏までのローン選手としてG大阪からベルギーに渡り、現在に至る。
ベルギーではというと、かつてヴィッセル神戸を率いたトルステン・フィンク監督のもと、ここまで32試合に出場。そのうち、先発は8試合のみと途中出場が主だが、今回の代表参加を除けば、不出場は2試合だけとチーム内で戦力に計算される存在であり続ける。
武器はアンカーやインサイドハーフをこなすなかで、左足から繰り出すキック精度。組み立てる力はこの世代屈指で、エリート街道の世代別代表キャリアにおいて、どのカテゴリーでも司令塔役を任され、大岩ジャパンでも不動のゲームメーカーという立ち位置だ。
今大会の中盤陣でも藤田譲瑠チマをはじめ、松木玖生らとともに主軸と目され、[4-3-3]のシステム下ではインサイドハーフが主なポジション。海外組5選手の1人として参戦する今大会もゲームメーク力と視野の広さをもってして中盤からの手綱捌きが期待される。