【U22日本代表で、半田陸が躍動。”A代表経由パリ五輪行き”へ前向きなリスタート(1)】怪我を乗り越えた見事な”復帰戦”…三戸舜介と連動してチャンス生み出す
5-2で勝利したアルゼンチン戦は半田陸にとって素晴らしい”復帰戦”となった。昨年3月、(バングーナガンデ佳史拭(FC東京)とともに、初めてA代表を経験。試合での出番こそなかったが、同じ右サイドバックの菅原由勢(AZ)をはじめとした”森保ジャパン”の選手たちのレベルの高さに大きな刺激を受けた。
■【動画】「このシーン、スタンド沸いた」と話題になった、U22日本代表の10番・鈴木唯人がアルゼンチン代表とピッチ上での「顔面接近にらみ合い」緊迫の瞬間■
「A代表を経験しているカシーフとか、僕もですけど。もっと練習からプレーで見せていかないといけない」
そう語る半田はアカデミーからトップ昇格したJ2モンテディオ山形で成長し、今シーズンを前に移籍したガンバ大阪でも、J1初挑戦と思えないほど、試合を重ねるごとに存在感を高めて波に乗っていた矢先、練習中に左腓骨を骨折してしまう。そこから約3ヶ月半の離脱を強いられて、ガンバではリーグ戦10試合を欠場した。
それでも10月28日の”大阪ダービー”で復帰すると、セレッソ大阪に0-1で敗れた中でも、対面するMFカピジャーバとの熱いマッチアップが印象に残った。もともと”A代表経由パリ五輪行き”を掲げる大岩剛監督が、いの一番に有力候補として挙げていたのが半田であり、パリ五輪のアジア最終予選となる来年4月のU-23アジアカップまで5ヶ月という段階で招集したのは当然かもしれない。
■大岩監督の叱咤激励に後押しされて
アルゼンチン戦に関しては半田からすると、内野貴史(デュッセルドルフ)の負傷離脱も出場チャンスにつながったが、ピッチに立てばそうしたことは関係なく、右サイドバックのポジションから高い位置のプレスを支えて、攻撃では右ウイングの三戸舜介と連動して、右サイドから多くのチャンスを作った。前半16分にあげた佐藤恵允(ブレーメン)による先制ゴールも、三戸と半田が積極的に仕掛けて、ボールを失った直後の即時奪回が導いた流れだ。
自陣のミスから同点とされて、後半の立ち上がりには中盤で相手ボールになったところから裏返しでFKを与えて、相手10番のアルマダに鮮やかなゴールを決められた。しかし、そこから「ミスを恐れることがミス」を掲げる大岩剛監督の叱咤激励に後押しされて、選手たちは前向きに反撃していく。そこで立て続けに大きな仕事をしたのが半田だった。
日本の同点ゴールは中盤で藤田穣瑠チマが奪ったところから一度下げて、センターバックの西尾龍矢を起点に、右外でボールを受けた半田陸が、鋭く相手ディフェンスの間を通す中央へのパスで、鈴木唯人の見事なゴールをアシストした。「ファーストタッチもいいところに置けたので、あそこ(鈴木がフリーになれるスペース)も見えてました」と振り返る半田は逆転ゴールとなる日本の3点目もアシストした。