宮本恒靖氏 日本サッカー協会会長選に名乗り 元Jリーガー初へ…鈴木徳昭氏と2人立候補、12・24投票
日本サッカー協会の次期会長選挙に専務理事の宮本恒靖氏(46)が立候補を希望していることが30日、関係者への取材で分かった。現時点での立候補希望者はJリーグチェアマン室特命担当オフィサーの鈴木徳昭氏(61)と計2人で、16年以来の選挙戦となる公算が大きくなった。会長職を4期務めた田嶋幸三会長(65)は来年3月で退任する。
W杯で主将として日本代表を率いた宮本氏が、日本サッカー界のかじ取り役に名乗りを上げた。11月25日までに都道府県協会やJ1クラブなどの代表者で構成される79人の評議員のうち16人以上の推薦を得られると正式な候補者となり、11月26日から選挙活動期間に入る。12月24日の評議員の投票による選挙で当選すれば初の元Jリーガー会長が誕生することになる。
宮本氏はW杯2大会に出場。鼻骨を骨折しながらも戦った02年W杯日韓大会ではフェースガードの“バットマン”としても話題になった。06年にG大阪から移籍したオーストリアのザルツブルクではリーグ優勝も経験。英語が堪能で、現役引退後はスポーツマネジメントなどを学ぶ「FIFAマスター」を日本人の元プロ選手として初めて修了するなど、サッカー以外でも見識を広めてきた。
昨年から日本協会の理事に就任し、今年から専務理事を任された。所信表明では「自分たちの課題にも取り組んでいきたい。やることは多い」と改革に意欲を示していた。また、会長補佐として仕事をした経験から田嶋会長からの信頼も厚い。宮本氏が専務理事に就任したばかりの今年2月には「(宮本氏には)いろいろな経験をした中で今度は協会で経験を積んでもらいたい。期待は大きい」と会長自ら語るなど“後継者”に絶大な信頼を寄せる。これまで新会長は50代後半~70代での就任がほとんど。46歳は異例の若きリーダーだ。
一方、1993年に日本協会入りした鈴木氏は協会の強化委員などを歴任。02年W杯日韓大会開催に携わり、アジア連盟(AFC)では競技部長も務めた。18年にはJリーグ入りし、経営企画本部長などを務めた。都道府県協会からの支持も厚く、宮本氏にとっては強力な対抗馬となりそうだ。
このほかにも反町康治技術委員長(59)や元日本代表監督で日本協会副会長の岡田武史氏(67)を推す声もあり、場合によっては出馬する可能性もある。
▽日本サッカー協会の会長選 以前は一部幹部が調整した候補を理事会が承認、評議員会で追認する形式だったが、選任プロセスの透明性を高めるため、16年から選挙戦を実施。16年は評議員75人が投票し、副会長だった田嶋幸三氏が40票、専務理事の原博実氏が34票、白票1票で田嶋氏が第14代会長に就任することが決まった。会長の任期は1期2年。上限は4期。現職者が2期目、4期目を前に続投の意思を示した場合、評議員会の過半数の信任で継続可能となる。