【記者コラム】日本代表FW中村敬斗がソックスを下げて履く理由 SNSで話題「レガース入ってる?」
カナダ戦後、SNSでその“話題”に気づいた。日本代表FW中村敬斗が、ソックスをかなり下げて履いていたことが話題になっていた。「レガース(すね当て)は入っているのか」「怪我が心配」などと投稿があった。この試合、中村は1ゴールを挙げる活躍を見せたが、後半16分に悪質なタックルにより左足首を痛めて負傷交代。この怪我によって、ソックス問題にもより注目が集まっていた。
しかし彼がソックスを下げているのは、理由があった。G大阪所属時代から取材を続けているが、以前はふくらはぎがつりやすい、という課題に悩まされてきた。しかしオーストリア1部・LASKリンツ時代にソックスの後ろ側に切れ目を入れて圧迫を緩めて履くと、その症状が改善された。しかし現所属のSランスや日本代表ではソックスの後ろを切ることは規定で許されていないため、対策としてソックスをできるだけ下げることでふくらはぎ上部の圧迫を回避しているという。
レガースは小さめのものを制作し、使用しているという。このソックスを下げるスタイルはイングランド代表MFグリーリッシュ(マンチェスターC)と酷似していたため、見た目重視と勘違いをされている節もあったが、パフォーマンスを向上させるための理由があった。当然、今回の負傷にも全く関連はない。負傷は残念だが、ゴール前での落ち着きと、正確なシュートで日本代表でも存在感を示し始めた中村。新潟から大阪へ移動時に顔を合わせた際、負傷について「残念やったね」と一声かけると「気にしてもらってありがとうございます」と返ってきた。どれだけソックスを下げようが、成長を求めるどん欲さと謙虚な姿勢は変わっていない。(金川 誉)