関西1部で初優勝狙う首位・京産大をけん引…東京V内定MF食野壮磨が大学で掴んだ自信、選抜で味わった悔しさ

[9.30 第101回 関西学生サッカーリーグ後期第4節 京都産業大2-0立命館大 ヤンマースタジアム長居]

京都産業大に流れを呼び込んだのは頼れる主将の一発だった。32分、CKのこぼれ球をDF西村翔(4年=G大阪ユース)がゴール前でキープして出したパスを、MF食野壮磨(4年=G大阪ユース/東京V内定)が狙いすました一撃でゴールに沈めた。

食野は「キープしてる翔と自分の間に、最初相手がいたんですけど、あいつがうまいことその脇に出して僕がフリーの状態でシュートを打てる状況を作ってくれた。あの状況になれば確実に決める自信はある」と満足顔で得点の場面を振り返る。

この日は立ち上がりから立命館大にペースを握られ、前線にいい形でボールが入る場面が少なく、攻撃が単発になっていた。その状況を打開すべく、食野はDFラインまで下がって、動きに変化をつけてボールを引き出し、チームメイトの特徴を生かすプレーを工夫しながら、徐々に試合の主導権を引き寄せていった。味方と関わる中で食野のアイデアも生き、後半は首位に立つチームの強さを見せつける結果となった。

同期のMF福井和樹(4年=G大阪ユース/相模原内定)がJ3で得点を決める活躍を見せたことは食野にも刺激になっており、「自分もその舞台で活躍したい」という思いもより強まった。関西学生リーグ中断期間の9月には内定先の東京ヴェルディの練習に参加。狭いスペースで受けて前へプレーする部分は高く評価されており、「レベル的には全然やれる。自分の持ち味を出せば勝負できる舞台」と自信も得てきたが、その後に参加した全日本大学選抜ではDENSO CUP SOCCER 第22回大学日韓(韓日)定期戦で出場機会を得られず、悔しさを味わった。

大学ではここまでメンバー入りした試合で出場できなかったことはない。「チームが勝ったのは喜ばしいですけど、個人としては本当に悔しかった。もっと練習から自分の良さを出さないといけなかった。少し埋もれすぎてた」と反省を口にする。自らの実力を示すためにも、まずは関西で優勝して京都産業大サッカー部の価値を高めて、インカレの舞台での活躍を誓う。「絶対できるっていうところを見せる」と言い切る強い気持ちが、チームを初優勝に導く力のひとつになるはずだ。

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