2ゴールで存在感の中村敬斗「初先発なのでアピールしたかった」盟友・久保建英との“共演”にも感慨
◆キリンチャレンジカップ2023 日本4―2トルコ(12日、ベルギー・ゲンク=セゲカ・アレーナ)
【ゲンク(ベルギー)12日=ペン・後藤亮太、カメラ・小林泰斗】日本はトルコに4―2で快勝した。代表初先発のMF中村敬斗(23)=Sランス=は、前半のみの出場で2得点。これで出場3試合で3ゴールと、森保ジャパンでのし烈な2列目争いで、強烈なアピールとなった。
事もなげに決めた2ゴールだった。前半28分。中村敬はこぼれ球に反応すると、GKの動きを見極めて右足で押し込んだ。さらに同36分にはDF毎熊のラストパスを受けると、DFの股を抜く右足シュートでGKの逆を突いた。「初先発なのでアピールしたかった」との言葉通り、昨季オーストリア1部で14ゴールを挙げた決定力で、自身の“居場所”を切り開いた。
6月15日のエルサルバドル戦で決めた代表初ゴールはMF久保からのアシストで決めた。この日も自身の1点目は久保のシュートをGKがはじいたところを詰めた。1歳年下の久保とは、U―15日本代表からともにプレー。当時、中村敬が初めて日の丸を背負って決めた得点も久保のアシストだった。
スペイン1部で奮闘する久保を横目に、欧州で結果を出せずレベルの落ちるオーストリア2部まで流れ着いた時期もあった。今は同じ舞台までたどり着き、「今回はアシストじゃないけど、彼(久保)からゴールが生まれるな、と。うれしいですね、一緒にプレーできて」と盟友との共演を喜んだ。
代表の左ウィングは、今やMF三笘の聖域になりつつある。だが、三笘がピッチを切り裂くドリブラーなら、中村敬は17歳でJデビューした時から、当時のG大阪・クルピ監督に「チームで一番うまい」と言わしめたシュートの精度が武器。トルコ戦は前半のみで交代したが、出場3試合で3ゴール。今夏フランス1部・Sランスへと移籍し、5大リーグでさらなる飛躍を狙う23歳。昨年のカタールW杯後に代表入りした“新戦力”の成長が、森保ジャパンを強くする。