天皇杯で暴動騒動の浦和一部サポーターに日本サッカー協会から処分決定 17人が無期限入場禁止

日本サッカー協会は31日、天皇杯4回戦(8月2日)で浦和サポーターが違反行為を起こした件について処分を発表した。17人を無期限の入場禁止、1人を5試合の入場禁止とする決定を下した。

違反行為は名古屋戦で起きた。試合は0―3と敗戦。試合後、一部サポーターが浦和の強化責任者と浦和ゴール裏スタンドで話し合いをしていた際、名古屋サポーターから発せられた言葉を挑発と受け取ったことがきっかけに。その後、浦和サポーター約100人がピッチ内に侵入し、名古屋サポーターらに対して違反行為を起こしたとされる。浦和は翌日、立ち入り禁止エリア侵入に関する違反行為に及んだ77人に対して当面の試合(9試合か16試合)の入場禁止や厳重注意とクラブ独自の処分を発表していた。

◆浦和サポーターの騒動

▽8月2日 天皇杯4回戦・名古屋戦(CS港)で0―3と大敗後、100人以上の浦和サポーターが名古屋サポーターのヤジに激高して“暴徒化”。緩衝帯を突破してピッチに乱入し、相手ゴール裏へ侵入。相手の横断幕をはがし、サポーター同士がもみ合いになる場面もあった。愛知県警約50人が出動し、事態が収束。

▽同3日 浦和が一部サポーターが暴動を起こした違反行為を謝罪し、計77人の処分を発表。立ち入り禁止エリアへの侵入を主導した31人を3日以降に行われる浦和の出場試合9試合、同行為を統括したリーダー1人を同じく16試合の入場禁止、同エリアに侵入した45人を厳重注意とした。

▽同5日 田口誠社長と須藤伸樹マーケティング本部長がオンラインで記者会見。須藤氏は「双方で暴力行為はなかった」と説明。

▽同9日 日本サッカー協会の田嶋幸三会長が、浦和の一部サポーターが起こした騒動について、暴力があったとの認識を示した。

▽同16日 映像確認の結果、暴力行為12件、威嚇行為6件など25人の違反行為が新たに判明したと発表。

▽同18日 J1第24節で浦和はホームで名古屋と対戦。警備員を通常より増員するなど警備態勢を強化した中で試合は行われ、1―0で浦和が勝利した。

▽31日 日本サッカー協会が臨時理事会で処分を決定。

◆過去のサポーターの行為に関する主な制裁

▽05年4月 柏―名古屋戦で両チームの一部サポーターが乱闘。12人が軽傷を負う事件が起こり、柏に1000万円の制裁金が科された。

▽05年7月 FC東京―東京V戦でFC東京男性サポーター1人が会場内で灰皿のフタを東京Vの職員らに投げつける傷害事件を起こし、FC東京には制裁金1000万円が科された。

▽08年5月 浦和―G大阪戦でサポーター同士がトラブルを起こし、主催の浦和に2000万円、挑発を止められなかったG大阪に1000万円の制裁金が科された。

▽14年3月 浦和―鳥栖戦で浦和サポーターが人種差別的横断幕「JAPANESE ONLY」を掲げ、過去にも問題行為があったことで無観客試合処分に。金銭的な損害は約1億円とされる。

▽14年8月 横浜M―川崎戦で横浜Mサポーターが相手選手にバナナを振りかざした人種差別行動。横浜Mに制裁金500万円とけん責処分が科された。

▽22年7月 浦和サポーターが5月の鹿島戦、7月のG大阪戦で違反行為の声出し応援を行い、浦和に対して、罰金2000万円とけん責の処罰を科された。

▽23年7月 天皇杯3回戦のFC東京―東京V戦で、ゴール裏のFC東京サポーター席における花火、発煙筒等の火気の使用が確認されたとして、当事者4人に国内試合の無期限入場禁止処分が科された。

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