平畠啓史チョイス“至極の11人”|決定率50%のFWがMOM。福田湧矢は“愛される感”に満ち溢れている【J1月間ベストイレブン7月】

攻守両面で大貢献の車屋

芸能界屈指のサッカー通で、J1からJ3まで幅広く試合を観戦。Jリーグウォッチャーとしておなじみの平畠啓史氏がセレクトする「J1月間ベストイレブン」。7月の栄えある11人はどんな顔ぶれになったか。

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もっと時間が経っているような気もするけれど、アンドレス・イニエスタヴィッセル神戸ラストゲームは7月1日だった。ノエビアスタジアム神戸のコレオグラフィーはあまりにも美しく感動的。あのイニエスタが日本でプレーしてくれたなんて本当に感謝しかない。ありがとうイニエスタ!

それでは、7月のベストイレブン。GKは横浜一森純。第20節の名古屋戦ではセービングから素早く前線にボールを送り、エウベルのゴールをアシスト。敗れたものの21節の川崎戦ではPKストップを含む好セーブを連発。攻撃的なチームを最後方から攻守両面で支えた。

右サイドバックは新潟の藤原奏哉。球際の強さを遺憾なく発揮。第21節の札幌戦では、右サイドのコンビネーションからボックス内に侵入し、鈴木孝司のゴールをアシスト。繋ぎのシーンでもミスが少なく、アルビレックスのサッカーを右サイドから支えている。

センターバックは福岡のドウグラス・グローリと川崎の車屋紳太郎。逆転勝利した第20節の札幌戦で、福岡の2ゴールの起点となったグローリ。第21節の湘南戦では、対人の守備はほぼパーフェクト。そして、86分にはゴールも決めて勝利に貢献。アビスパらしさが戻って来た7月にグローリの活躍は欠かせないものだった。

第21節の横浜戦で、タイトなマークでアンデルソン・ロペスに仕事をさせなかった川崎の車屋。アディッショナルタイムにはゴールを決め、大事なゲームにおいて攻守両面で大貢献。素晴らしいパフォーマンスを披露した。

左サイドバックには神戸の酒井高徳。第20節の新潟戦ではマテウス・トゥーレルの負傷で右サイドバックからセンターバックでのプレーとなったが、堂々のプレーでセンターバックと交代してプレーしていることを感じさせなかった。どの試合でもプレーの迫力が際立っている。

左サイドバックでは福岡の前嶋洋太も好パフォーマンス。対面する攻撃的な選手に鋭いアプローチで仕事をさせなかった。

我慢して戦えるのはルキアンがいるからこそ

ボランチはG大阪のダワンと新潟の高宇洋。攻守両面でタフに戦えるダワン。両ゴール前に姿を現わし、ハードワークを厭わない。ガンバの中盤には欠かせない存在である。ゲームを仕切れる高。ゲームのテンポをコントロールし、攻撃の方向を決める舵取りは見事。ダワンも高も苦しい時間や局面に顔を出せるのが素晴らしい。

中盤の右にはC大阪のジョルディ・クルークス。スピードある左足のクロスがゴールの雰囲気を生み出し、スリリングなシーンを演出する。第21節の浦和戦におけるカウンターのシーンではドリブルで持ち運び、切り返しから得意の左足で決めきった。左足にボールを置いただけでスタジアムのボルテージが上がる。

中盤の左にはG大阪の福田湧矢。第20節の京都戦、山本悠樹のクロスに見事に飛び込んだ気持ちが見える今季初ゴール。得点後の雄叫びが、このゴールの重要性を物語る。YS横浜でプレーする、弟の福田翔生とともに愛される感に満ち溢れている。

フォワードは福岡のルキアン。第20節の札幌戦では2アシスト。守備の時間が長くなるアビスパの戦いのなかで、常にチャンスを狙い続け、多くはないチャンスをしっかりとゴールに結びつけた。守備の時間が長くなっても、我慢して戦えるのは前線にルキアンのような頼りになるフォワードがいるからこそ。6月30日の開催になるが、第19節のC大阪戦のゴールも迫力満点だった。

そして、もう一人のフォワードで、7月のMVPは神戸の大迫勇也。7月は3戦連発4ゴール。手元の資料によると、シュート8本で4ゴール。決定率は驚異の50パーセント。今季通算16ゴールで得点ランキングでも単独トップに。優勝争いとともに得点王争いも楽しみだ。

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