あと1年! パリ五輪U-23日本代表メンバーを予想! 久保建英ら海外組の選出は?
来夏に開催されるパリ五輪(オリンピック)開幕までちょうど1年となった。サッカー日本代表(開催年はU-23日本代表)は、今年9月、来年4月に行われる予選を経て本大会出場を目指す。残り1年となった現段階で、U-23日本代表の本大会メンバーがどうなるのかを予想する。
●ゴールキーパー(GK)
所属クラブ:浦和レッズ
生年月日:2002年8月21日
所属クラブ:ベンフィカ(ポルトガル)
生年月日:2001年1月23日
長田澪(ミオ・バックハウス)
所属クラブ:フォレンダム(オランダ)
生年月日:2004年4月16日
大岩剛監督は3人のGKを昨年から継続的に招集しており、何か大きなアクシデントがなければこの3人が本大会メンバーに選ばれることになるだろう。3月と6月の国際親善試合で2試合ずつプレーした小久保玲央ブライアンと鈴木彩艶のメンバー入りを予想する。
佐々木雅士は所属する柏レイソルで昨季途中から正GKの座を掴んだが、今季の第4節以降は控えに回っている。ダークホースはブレーメンに在籍する長田澪で、欧州での登録名はミオ・バックハウス。今季はオランダ1部(エールディビジ)フォレンダムに期限付き移籍している。プレシーズンでは正GKの地位を与えられており、ドイツの年代別代表でもプレー経験がある。エールディビジで経験を積んでいけば、佐々木に代わってメンバー入りのチャンスもあるだろう。
鈴木彩艶も浦和レッズでは2番手という立場だが、U-22日本代表の親善試合では好プレーを見せていた。小久保玲央ブライアンも所属するFCポルトでシーズンを通して起用されたわけではない。ただ、昨季終盤はU-23チャンピオンシップでポルトU-23の正GKとしてプレーしている。現時点では鈴木と小久保の序列が高く、佐々木が3番手。長田がこの序列を覆す可能性があるとみている。
●センターバック(CB)
鈴木海音
所属クラブ:ジュビロ磐田
生年月日:2002年8月25日
チェイス・アンリ
所属クラブ:シュトゥットガルト(ドイツ)
生年月日:2004年3月24日
高井幸大
所属クラブ:川崎フロンターレ
生年月日:2004年9月4日
田中隼人
所属クラブ:柏レイソル
生年月日:2003年11月1日
センターバックはこのチームで最も選考が難しいポジションの1つだ。今年の代表活動で主にプレーしたのは鈴木海音、木村誠二、西尾隆矢の3人だが、木村と西尾は所属クラブで出場機会を得られていないのが現状だ。鈴木と木村は6月の欧州遠征で強豪国との2試合とも無失点に抑える活躍を見せたが、現実的には残り1年の立場を保証するものとは言えない。
現時点で有力なのが、U-20世代からの抜擢だ。川崎フロンターレでレギュラーの座を掴みつつある高井幸大は有力な候補で、チェイス・アンリも今季のシュツットガルトでのパフォーマンス次第では十分にここに名を連ねる資格があると言えるだろう。
U-22世代の3人の中では、鈴木海音が現時点では一番近いとみる。ジュビロ磐田で不動のレギュラーと言うわけではないが、6月の欧州遠征では強豪イングランド、オランダを相手に成長の跡を見せた。4枠だと仮定すると、U-20日本代表のキャプテン、田中隼人の抜擢を予想するが、現実的にはオーバーエイジを入れる可能性の高いポジションでもある。
●サイドバック(SB)
バングーナガンデ佳史扶
所属クラブ:FC東京
生年月日:2001年9月24日
半田陸
所属クラブ:ガンバ大阪
生年月日:2002年1月1日
髙橋仁胡
所属クラブ:バルセロナ(スペイン)
生年月日:2005年8月17日
内野貴史
所属クラブ:フォルトゥナ・デュッセルドルフ(ドイツ)
生年月日:2001年3月7日
サイドバックはA代表にも選出された2人が有力候補になるが、今後の活躍次第では安泰とは言えない。半田陸は3月に初選出されたA代表初で出場機会はなし。海外移籍の可能性も報じられていたが、今月の練習中に腓骨を骨折し、長期にわたって離脱することとなった。五輪予選は来年4月、本大会は同7月なので間に合うが、そこまでにトップパフォーマンスを見せられることが最低条件になる。
バングーナガンデ佳史扶は3月に代表戦デビューを果たしたが、その試合で右膝を負傷。5月にも右足首を負傷しており、2021年には右膝半月板損傷で約半年欠場。度重なる怪我が今後に影響しないことを祈るだけだ。経験値という意味では、Jリーグ通算73試合出場の畑大雅が割って入る可能性もある。
バングーナガンデの不在だった今年の代表活動で左サイドバックを務めたのは加藤聖。先日、横浜F・マリノスへの完全移籍が発表され、J1王者からパリ五輪を目指すことになる。ただ、髙橋仁胡、松田隼颯の海外組2人が割って入るチャンスもある。右は内野貴史と中村拓海の一騎打ちか。現時点では内野が一歩リードとみるが、この1年間でその序列が入れ替わることも考えられる。
●セントラルミッドフィールダー(CMF)
川﨑颯太
所属クラブ:京都サンガF.C.
生年月日:2001年7月30日
福井太智
所属クラブ:バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)
生年月日:2004年7月15日
藤田譲瑠チマ
所属クラブ:横浜F・マリノス
生年月日:2002年2月16日
中盤は激戦区だ。ダブルボランチと仮定すると、川﨑颯太、山本理仁、藤田譲瑠チマが現時点では重用されている。そこにU-20組の山根陸と福井太智が食い込むメンバー構成が現時点では有力だろうか。佐野航大や松木玖生は一列前の候補に入れることとした。
川﨑はキャプテンを務める京都サンガでも不動の存在で、6月はA代表にも選出された。現時点では当確に近い存在と言っていいだろう。山本は今季からシントトロイデンでプレーすることとなり、その活躍次第でいかようにも立場は変わる。藤田は横浜F・マリノスでは渡辺皓太、喜田拓也に次ぐ存在という点が懸念材料だ。湘南ベルマーレに復帰した田中聡や、ブラジルでプレーする松岡大起と1枠を争うような構図になる。
U-20ワールドカップでU-20日本代表はグループステージ敗退という結果に終わったが、山根と福井は海外の選手相手にも渡り合う能力があることを示した。福井はバイエルン・ミュンヘンのセカンドチームでどれだけ存在感を示すことができるか。山根も藤田同様にマリノスでどこまで出場機会を伸ばせるかがポイントになりそうだ。
●攻撃的ミッドフィールダー(OMF)
斉藤光毅
所属クラブ:スパルタ・ロッテルダム(オランダ)
生年月日:2001年8月10日
久保建英
所属クラブ:レアル・ソシエダ(スペイン)
生年月日:2001年6月4日
松木玖生
所属クラブ:FC東京
生年月日:2003年4月30日
佐野航大
所属クラブ:ファジアーノ岡山
生年月日:2003年9月25日
鈴木唯人
所属クラブ:清水エスパルス
生年月日:2001年10月25日
平河悠
所属クラブ:FC町田ゼルビア
生年月日:2001年1月3日
2列目は3月と6月の欧州遠征でかなり多くのパターンが試されているポジションだ。そして、ベストメンバーということであれば久保建英の名前も確実に入ってくる。クラブで昨季のシーズン終盤に大活躍を見せた斉藤光毅もこのチームの中心として活躍が期待される。
鈴木唯人もこの世代の中心的存在だが、ストラスブールで出場機会を得られなかった悔しさを、復帰した清水エスパルスでぶつけられなければ一気に立場が危うくなる可能性もある。加えて、U-20組の佐野航大、松木玖生がこの競争に割って入るのは確実とみていいだろう。
それ以外はほぼ横一線ではないだろうか。所属クラブでのここ最近の活躍を見ると、アルビレックス新潟の三戸瞬介が一歩リードかもしれないが、ブレーメンに移籍した佐藤恵允や平河悠にもチャンスは十分にある。平岡大陽も面白い存在だが、同じポジションのライバルが強力だ。
●フォワード(FW)
細谷真大
所属クラブ:柏レイソル
生年月日:2001年9月7日
小田裕太郎
所属クラブ:ハート・オブ・ミドロシアン(スコットランド)
生年月日:2001年8月12日
福田師王
所属クラブ:ボルシア・メンヒェングラートバッハ(ドイツ)
生年月日:2004年4月8日
3月と6月の計4試合で、大岩剛監督は4人のFWを試している。予想したメンバーがこの1年でそっくり入れ替わる可能性も十分にあるくらい、このポジションの予想は難しい。
現時点で実績、実力ともにトップを走るのが細谷真大。柏レイソルで今季はリーグ戦7得点をマークしており、2桁得点も視界にとらえている。今冬にスコットランドのハーツに移籍した小田裕太郎もリーグ戦終盤で存在感を示しており、今季の活躍次第では十分にメンバー入りが可能な位置につけている。
J2組では6月以降にゴールが増えている藤尾翔太、序盤戦で結果を残した櫻川ソロモンらがメンバー入りをうかがう。U-20組では熊田直紀、坂本一彩、福田師王が候補になる。最近では坂本が調子を上げている一方で、熊田はFC東京で出場機会を得られていない。福田はボルシア・メンヒェングラートバッハU-19で結果を残したが、今季プレーすることになるセカンドチームで結果を残すことができればパリ行きが近づいてくる。