日本代表OBが「J1残留サバイバル争い」を展望 G大阪は危険水域を脱出、最下位転落のリスクをはらむのは?

【専門家の目|栗原勇蔵】最下位の湘南以上に、17位の横浜FCに黄信号か

J1リーグはシーズン全34試合の半分を消化し、“後半戦”に突入している。Jリーグは新たな成長戦略に基づき、Jリーグ全体の価値向上を図るべく、2024年シーズン以降の各リーグのクラブ数を変更。J1・J2・J3のすべてが20クラブに統一されることに伴い、今季J1の降格枠は最下位(18位)の1チームのみとなる。「前半戦通信簿」特集の派生企画として、元日本代表DF栗原勇蔵氏に後半戦の残留争いを占ってもらった。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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J1残留争いは例年、「昇格組」が絡んでくるケースが多い。アルビレックス新潟と横浜FCを見てみると、新潟は第20節終了時点で勝ち点21の14位、横浜FCは勝ち点14の17位となっている。

15位の京都サンガF.C.が勝ち点20。16位が柏レイソル(同14/得失点差-13)、17位が横浜FC(同14/得失点差-26)、18位が湘南ベルマーレ(同13)と、16位以下の3チームが勝ち点で少し差が開いている。元日本代表DF栗原氏は、「新潟から下のチームですよね。5チームの中からほぼ間違いなく降格チームが出ると思います」と見解を述べる。

現在、最下位に沈む湘南は、総得点26に対して、総失点はリーグワーストの43。9ゴールを挙げていた日本代表FW町野修斗もドイツ2部ホルシュタイン・キールへ完全移籍し、元日本代表DF栗原氏は懸念材料を指摘する。

「湘南は大橋祐紀が怪我(3月に右大腿二頭筋肉離れで全治10週間)をしたあたりから上手くいかなくなった印象です。大橋が(6月に)帰ってきてまた戦えるかなと思ったところで町野が海外移籍で抜けて、台所事情も厳しい。走り勝つスタイルが強みだったと思いますけど、今はほかのチームも走れるようになってきているので、勝ち切れない要因になっているかもしれません。なんとか勢いに乗って順位を上げて行けるか」

同じく、チームトップの6ゴールを記録していたFW小川航基がオランダ1部NECナイメヘンへ期限付き移籍となり、戦力ダウンは否めない。栗原氏は「横浜FCは保有戦力以上に目指しているサッカーのレベルが高く、ギャップの影響で結果的にバランスが上手く取れていない気がします。エースの小川も海外移籍してしまい、苦しい状況ですね」と、湘南以上に警鐘を鳴らす。

5月にネルシーニョ監督が退任し、井原正巳ヘッドコーチが後任監督となった柏は、今季連勝がなく、5月7日の第12節新潟戦(0-0)以降9戦勝利なし(4分5敗)と苦しい状況が続く。栗原氏は「レイソルは、横浜FCと湘南より戦力が整っていると思う」としたうえで、抱える問題点について触れた。

「理想のサッカーがバチッとハマることはなかなかない。立田(悠悟)の退場で勝ち点を落としたり、攻守が噛み合わずに結果が思うように出ていないので、メンタルの部分が一番大きい気がします。闘争心というか、気持ちが強くてチームを引っ張れる選手がいればまた違うでしょうけど、負けが混んでみんなネガティブになっているイメージがあります」

一時最下位に沈んだG大阪はスタイル変更が奏功

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