【番記者の視点】G大阪、連勝ストップのスコアレスドローにじむ課題 カウンターの恐怖心を克服できるか

明治安田生命J1リーグ 第19節 横浜FC0―0G大阪(1日・ニッパツ)

【G大阪担当・金川誉】勝ち点2を失った、というより勝ち点1を拾った、という試合だった。横浜FCが得意とするカウンターに手を焼いた前半に流れを奪われ、後半は押し込まれる時間も続いて2度ポストとバーに救われた。攻めてはチュニジア代表FWジェバリが前後半に1度ずつ決定機を迎えたが、どちらも決めることができず。元日本代表GK東口順昭の好セーブもあり、なんとかスコアレスドローに持ち込んだ。ポヤトス監督は試合後の会見で「自分たちがボールを動かす、という意図が少し欠けていた」という問題点を最初に挙げた。

試合序盤は斜めのパスやDF福岡将太の持ち上がりで相手を引き出し、チャンスをつくるシーンもあった。しかし前半20分、DFラインから中央への縦パスが引っかかり、カウンターを受けたあたりから流れは横浜FCへ。MF山本悠樹が「1、2本(パスを)引っかけるとそのイメージが残る。その後はあまりテンポが出てこなかった」と振り返ったように、中央でのボールの動きが減った。狙いとしていた相手ボランチ脇で起点をつくり、5バックを引き出す、という場面はなかなか生まれず。ならば背後へのランニングを増やして、流動的に相手の穴を作り出したかったが、ポジションを崩した大胆な動きも増えていかなかった。

そこにはチーム全体として、カウンターの鋭さを見せつけられたが故に生まれた“恐怖心”があったのでは、と推察する。しかし山本は言う。「ちゃんと(相手を敵陣に)押し込んでしまえば、相手のカウンターの怖さは減るんです」。狙いを持ってボールを動かせば、相手のDFラインは下がる。いくらカウンターが得意なチームでも、ゴールまでの距離が遠ければ、シュートまで持ち込むことは難しい。カウンターを恐れ、相手に流れを渡してしまえば、より苦しい試合展開となることはこの日実感したはずだ。

今季G大阪は3バック(守備時は5バック)の相手に、今季リーグ戦で3敗4分けとまだ勝利がない。主体的にボールを動かしたいチームにとって、5バック&カウンターへの対策は、全世界共通の課題でもある。連勝は4で止まったが、粘り強い守備で勝ち点1を持ち帰った横浜FC戦。あらためて課題が浮き彫りになったこの試合の意味は、今後の戦いで明らかになるはずだ。

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