【ガンバ大阪】目指すのは5連勝のみ。横浜FCの守りをクレバーにこじ開けに行く

シーズン序盤から時に苦労し、時に新たな姿を見せながら積み上げてきたポヤトス監督のサッカーがその真価を見せ始めている。
堅守をベースに好調を維持していた鹿島に対して、「イメージ通りにボールは動かしていたけど、あそこまでハマるかという内容だった」と山本悠樹が胸を張ったように、狙い通りのボールの動かし方でゴールをこじ開け、鹿島との公式戦で約3年ぶりとなる勝利を掴み取った。
出場停止のジェバリを欠き、イスラエル代表から合流したばかりのラヴィもメンバー外だったが文字通り、チームの総合力で手にした4連勝だった。

内容の充実が結果につながりその力を見せ始めているガンバだが「7月の3試合は本当に大切」と石毛は話す。
横浜FCを皮切りに京都、柏との戦いが待つガンバだが、山本悠樹は「鹿島に勝ったのはいい流れだけど、横浜FCはやり方が変わって展開的にもどうなるか分からないし、逆にやりにくい感じはある」と全く緩みを見せず、気を引き締めている。
ホームでの対戦はシュート22本の猛攻を見せながらも痛恨のドロー。当時、最下位だった横浜FCに勝ちきれなかったガンバだが、ポヤトス監督のスタイルが浸透し始めた今、敵地で目指すのは勝点3のみとなる。

試合のポイントは明確だ。
「横浜FCもシステムが違うが、難しい試合になる」(ポヤトス監督)。現在17位の横浜FCは、3バックを採用した5月3日の新潟戦で手にした今季初勝利を含めて、直近の8試合で3勝1分4敗と明らかに復調傾向を見せている。川崎Fを破り、浦和戦もドローに持ち込んでいるが、ボール保持に長ける相手に対しては5バック気味に守り、堅守速攻を貫いてくる。
「大事になるのは自分たちのビルドアップ。相手の1列目のプレスをはがすことができれば、自ずと相手は引かざるを得ない。その際にカウンターへの警戒は常に必要」(ポヤトス監督)。
引いてスペースを埋めてくる横浜FCに対しては、単にボールを動かすだけでなく、選手のアクションも不可欠になるが、試合中の難しい局面でその戦術眼を活かしている山本悠樹も「単純に相手のDFラインに人数が増えるし、3バックのうちの左右のCBを引っ張り出さないと厳しい。そこを引っ張り出せれば、中央でジェバリと相手のCBが1対1になる」とゴールへの道筋は頭の中で描いている。

一方、直近の4試合は3敗1分で、粘り強い守りは見せているものの勝利から遠ざかっている横浜FCは、チーム最多の6得点をマークしている小川航基がガンバ戦の翌日にチームを離れ、欧州に経つ。直近の公式戦2試合を欠場中の小川がピッチに立つかどうかは微妙だが、最前線のマルセロ ヒアンやサウロ ミネイロ、2シャドーの山下、小川慶治朗は、カウンタースタイルに舵を切った今の横浜FCの確かな武器であるだけに、攻めている時間帯のリスクマネジメントは不可欠になる。
「常に守備を考えて攻撃することが大事」(ポヤトス監督)。大胆さとクレバーさを忘れずに、連勝街道をひた走るだけだ。

https://sports.yahoo.co.jp/official/writer/10114

Share Button