まさかのジェットコースターゲーム。U-17日本代表は課題出るも、「賭け」には勝った

[6.23 AFC U17アジアカップGS第3節 U-17日本 8-4 U-17インド]

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8-4。AFC U17アジアカップのグループステージ最終戦、U-17日本代表とU-17インド代表の試合はイレギュラーなスコアが記録された。

「このチームでこんなに失点したのは初めてだし、これだけ点を取れたのも初めてかもしれない」

そう言って苦笑いを浮かべた森山佳郎監督だが、「覚悟はしていたし、もっと苦戦する可能性も考えていた」とも言う。ゲームプランというより、大会プランとして、ある種のリスクを抱えて臨む試合になるのは想定内。経験豊富な指揮官は「一種の賭けではあった」と言う。

この試合、「負ければほぼ終わり」(森山監督)の状況ながら、日本の先発メンバーはガラリと入れ替わっていた。FW道脇豊(熊本)、MF佐藤龍之介(FC東京U-18)、MF山本丈偉(東京Vユース)、DF土屋櫂大(川崎F U-18)、GK後藤亘(FC東京U-18)といった連続して先発してきた主力選手を、主将のDF小杉啓太(湘南U-18)を除き、メンバーから外した。

FW高岡伶颯(日章学園高)、MF宮川大輝(G大阪ユース)、MF川村楽人(東京Vユース)、GK上林大誠(山形ユース)と初先発の選手も複数投入。さらにハーフタイムには、唯一の3戦連続先発となった小杉に加え、FW名和田我空(神村学園)、DF柴田翔太郎(川崎F U-18)といったノックアウトステージで主軸になることが想定されるメンバーもベンチに下げた。

「1-0でも下げるつもりだった」と指揮官が言うのは、インドの力を侮っていたからではない。むしろ試合前から「技術的にはかなり高いものがあるし、身体能力のある選手も多い」と、ウズベキスタンにも善戦した戦いぶりに警戒を深めてもいた。ただ、「ここからの戦いを考えるなら、これしかない」(森山監督)という判断があった。

ノックアウトステージの初戦となる準々決勝は日本が中2日なのに対し、相手はどこになっても中3日。酷暑の連戦となる中で「この1日の差は相当大きい」(森山監督)。この第3戦に全力を傾注してしまうと、この試合に加えて、同じく休養日の差がある準決勝で勝ち切るのも厳しくなる。「出場時間をシェアしながら、良いムードも作っていく」という視点で準備を進めていた指揮官にとって、これが最善の策だった。

結果的に「後半に入るとき、自分たちの中に甘さがあったのは間違いない」(宮川)ことでジェットコースターゲームになってしまい、「守備の課題がたくさん出た」(森山監督)点はチームにとって良い薬にもなりそうだ。

ベンチに回っていたMF中島洋太朗(広島ユース)、MF山口豪太(昌平高)、MF杉浦駿吾(名古屋U-18)といった選手たちがモチベーション高くプレーして結果を出した点も含め、ここから始まるノックアウトステージに向けての収穫も少なくなかった。結果的に目標の1位抜けも無事に果たし、次の相手はU-17オーストラリア代表と決まった。

次は勝てば世界切符、負ければチーム解散となる大一番。「これまでで一番大事な試合」(名和田)となる準々決勝は日本時間26日19時から開幕する。

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