1勝1分で欧州遠征終えたU-22日本代表、イングランド&オランダに通用したからこそ感じた課題
[6.14 国際親善試合 U-22日本 0-0 U-22オランダ オーストリア]
U-22日本代表は欧州遠征第2戦で、U-22オランダ代表とドロー。10日のU-22イングランド代表戦では2-0で勝利を収めたが、この試合では無得点に終わった。
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10日のイングランド戦に続く2試合連続の無失点に抑えた。前半から積極的にプレスを仕掛け、中盤まででボールを奪い切った。要所でピンチを迎える場面もあったが、ペース自体は失わず。大岩剛監督も「イングランド戦もそうだったが、押し込まれる場面、局面ではがされるところはやられるが、3人目の守備というワードを使ってみんなでアプローチして、守備は非常にアグレッシブにやっていた」と手応え。「チームとしてスタンダードが上がった」と今回の欧州遠征での守備面を総括した。
DF鈴木海音(磐田)は、ハイプレスの最後の壁となった。前線からボールを追うと、鈴木海のところでマンツーマン気味となる。プレスがハマらずに最終ラインまでボールを運ばれた場合、鈴木海の対応がキーとなった。「そこを潰さないと一気にひっくり返ってしまうので、入れ替わらないように潰しに行くことはうまくできていた」。それでも、少ないながらも相手に決定機を作られた。2試合連続無失点の中でも、課題を見出す。
「ボランチのところで、もっと自分が喋って後ろのコースを消させないといけなかった。あそこをターンされて前を向かれて相手の時間が前半多かった。横のスライドももっと喋ってチーム全体として奪いに行くところをはっきりしないと。球際の部分は、自分もジュビロで試合に絡めるようになって、少しずつ自分のストロングポイントとして伸ばせている。だけど、もっと潰さなきゃいけない。ヘディングも跳ね返さないといけない。そこで負けるのは限りなくゼロにしていかないと、その1本でやられてしまうところがある」
攻撃面では、イングランド戦の2得点から今回は無得点だった。MF山本理仁(G大阪)は「正直勝てた相手だなという感触」と悔しさをのぞかせる。「自分らが意図した形でゴールに迫る形をもうちょっとつくれたらなというのが反省というか今後に生かしたい点」。シュート本数も13本と相手を上回ったが、決定機自体は少なかった。「(チャンスを)作れていることは自信になりました。ただ、もっと回数を増やしていかないと。こういった相手にも勝てる確率は上がっていかない。慢心せずにチャンスを作っていかなきゃ、特にアジア予選は緊張感の中でやる。外すことを想定してたくさんのチャンスを作らなきゃいけない」と9月から始まるパリ五輪への予選に目を向けた。
イングランド戦に続き、ビルドアップでは選手たち全員が課題として共通認識を持ったようだ。2列目の右サイドでプレーしたMF三戸舜介(新潟)は「試合を通してあんまりうまくいっていなかった。距離感が少し遠かったりとか、バランスがあんまり良くなかった」とポイントを挙げる。MF鈴木唯人(ストラスブール)は「やりたいこともできずによくなかった。その原因は自分がボールを失ったこと。全体としてあまり自分として良くなかった」と自身の出来に不満を出しながら、ビルドアップには全体としての改善点を具体的に口にする。
「単純にみんなが前を見ないので、下げることがセオリーになってしまっている。下げることがいいプレーみたいな感じに感覚としてなっているので、もっと前を見ることが必要。前にプレーすることが絶対的に必要だと思う。オランダはどんどん間にパスをつけてきますし、そういった違いがああいう苦しい展開を生んだ。そういったところで、もっと自分たちが最初からできるんだと、最初から自分たちのプレーをしないとうまくいかない」
大岩監督はビルドアップの“タイミング”を指摘。「出し手、受け手、最終ライン、前線の立ち位置の部分でもう少しタイミングを合わせられるようなところが局面で出れば、もっと相手を嫌がらせられることができた」。タイミングは選手たちもピッチで声に出していたワードだった。「前線の動き出しだったり、流動性がカギを握るところがある。チーム全体が連動するというところを求めてやっているので、そういう意味ではやろうとはしているが、相手が強い中、もっと自分たちの動きの質で変えることができたのではないかと思う」。強国を相手に、より顕著に出た課題。9月のU23アジアカップ予選に向け、選手たちは自チームで改善に取り組むことになる。