YS横浜「黒手袋の男」福田翔生、5月MVP受賞に「地獄見る苦しい思いして死ぬほど努力した」
Jリーグは13日、5月度の月間MVPを発表し、J1はFW大迫勇也(ヴィッセル神戸)、J2はFW森海渡(徳島ヴォルティス)、J3はFW福田翔生(しょう、Y.S.C.C.横浜)の3選手の受賞を発表した。
この中でも注目したいのが、J3で初めて選出された22歳の福田だ。「黒手袋の男」としてブレーク中。昨季まで在籍したFC今治では攻撃的MFながら公式戦の得点は0。だが今季から加入したYS横浜でFWへとポジションを前へ上げると、ストライカーとしての才能が開花した。選考対象となった5月は3試合で3得点を挙げている。
福田は受賞について「めちゃくちゃうれしいです。これまで地獄を見るような苦しい思いをして、死ぬほど努力をしてきました。チームメート、スタッフ、サポーターの皆さんのおかげでもあるので感謝しかないです。もっともっと頑張ります」とコメントした。
173センチとFWとして小柄な部類だが、相手DFの背後を突く鋭い動きと巧みなドリブルで、今季の得点数は10(J3で1位)に乗せた。
選考した反町康治氏委員は「身体は大きくないが強さとキレがあって、おもしろい。チームの状態を上げてきた」。また、平畠啓史委員「得点も取っているし、チームも6戦負けなし。動きが明らかに周りと違う。キャラクターもよく人気が出そうな選手」と評価している。
福田は明るいキャラクターで、大好きな祖母からプレゼントされた黒の手袋を蒸し暑い夏場になっても着用し続けている。その理由を問うと「中継を見てくれた時に(祖母が)見つけやすいように」と笑う。家族や仲間、サポーターを大事にする選手だ。
今回は5月の受賞だが、その勢いは6月なって加速している。前節の第13節・愛媛FC戦では後半アディショナルタイムに2点を加え、劇的なハットトリック達成とともにチームを逆転勝利へと導いた。まさに飛ぶ鳥落とす勢いで名を売っている。
兄はガンバ大阪に所属するMF福田湧矢。「いつか兄と一緒にプレーしたい」と同じJ1入りを目指す男から、まだまだ目が離せない。【佐藤隆志】