G大阪、連敗ストップ&8試合ぶり白星 苦しんだ3人の功労者 倉田秋、黒川圭介、そしてジェバリ
◆明治安田生命J1リーグ 第15節 新潟1―3G大阪(28日・デンカS)
G大阪が新潟に3―1と勝利し、連敗を5で止めて8試合ぶりの勝利をつかんだ。先制ゴールのMF倉田秋、だめ押しとなる3点目を奪ったDF黒川圭介、そして2アシストのFWジェバリは、それぞれ苦しみの中からはい上がって結果を残した。
倉田は前半2分、ジェバリのラストパスに体ごと飛び込んで先制点を奪った。21年11月3日・横浜M戦以来、約1年半ぶりのゴールは、前節まで5連敗と苦しむチームに自信を回復させた。G大阪在籍15年目の34歳は「ゴールは素直にうれしい。でも今日決めたからって、やることは変わらない。それは自分のいいところだと思う」。昨季終盤は出場機会を減らし、今季も負傷で出遅れて前節の横浜M戦が初先発。12年のJ2降格や14年の3冠など、チームの浮沈をその身で味わってきた10番は、不足していた前線からの強度をチームに加えるとともに、貴重な先制点でチームを助けた。
一方、開幕からリーグ戦全試合にスタメン出場していた中で、低迷の責任を感じていたのがDF黒川圭介だ。1点差に迫られた後半11分、左サイドでMF石毛秀樹の浮き球パスに抜け出し、左足で今季初ゴール。「あと1点取らないといけない、という状況だった。ゴールという形で表現できてよかった」。左サイドバックのスタメンを勝ち取る中で、チームの狙いの中で得意の攻撃参加を制限され、一方で失点に絡んでしまうという悪循環にも陥った。しかし「もう一番下までいったので、あとははい上がるしかないという気持ちで全員やれた」と語るように、この日は得点以外にも前半に決定的なクロスでチャンスをつくり、持ち味の攻撃力を存分に発揮。守備でも集中力を切らさず、勝利に貢献した。
そして2アシストに加え、前線で抜群のキープ力もみせてMVP級の活躍をみせたのがFWジェバリだ。今季加入し、ここまで2ゴールとまだ実力のすべてを魅せたとは言えないチュニジア代表のストライカーは、ここ5週間ほど右足に問題を抱えたままプレーしていたことを、ポヤトス監督が試合後会見で明かした。本人も「来日してから色々と小さな問題(負傷)を抱えていた。今までのキャリアで、そんな経験をしたことはなかった。それでも自分を信じてハードワークしていれば、必ず体調は戻ると信じてやり続けてきた。実際、今日は不安を感じないぐらいプレーできたことは収穫」とうなずいた。
ジェバリは負傷をおしてプレーしてきた理由について「チーム状況もあったので、自分だけ休むわけにはいかなかった」と振り返った。そんなジェバリに指揮官は「ようやく怪我がよくなって、本来の彼のレベルが出てきた。この場(会見)を借りて感謝したい」と話した。まだ今季目指すべき形で勝利したとは言えないが、おのおのがハードワークでチームに貢献した結果つかんだ勝ち点3。暗闇の中でもがいてきた3人の奮闘で、低迷するチームに一筋の光が刺したことは確かだ。