Jリーグ最強WGは誰だ!? 能力値ランキング1~10位。多士済々のタレント! トップは?

明治安田生命Jリーグには、様々な特徴を持つ選手が活躍している。サッカーという競技の特性上、彼らの能力を数値化するのは極めて困難であることを承知の上で、フットボールチャンネルでは今季のスタッツを中心に様々なデータを集計し、5項目の能力に分類して数値化してランキングで紹介する。(ウイング、シャドーでの出場が多い選手、5月1日時点でリーグ戦の出場時間が450分以上の選手が対象。データは15日時点)

10位:家長昭博

所属クラブ:川崎フロンターレ

生年月日:1986年6月3日

今季リーグ戦成績:13試合2得点4アシスト

かつて天才と称された家長昭博は、川崎フロンターレの象徴的な選手だ。2017年に大宮アルディージャから移籍して以降、4度のJ1制覇などに貢献し、2018シーズンには最優秀選手賞(MVP)とベストイレブンにも輝いた。36歳となった現在も、変わらずチームに欠かせない存在である。

家長は身長173cm・体重70kgと決して大柄な選手ではない。しかし、それを感じさせないほど逞しい「フィジカル」を備えており、技術力の高さも相まって、ボールキープ力の強さや上手さに関してはJリーグトップレベルにある。味方からすると安心してボールを預けられる、そんな頼もしい存在と言えるだろう。

かつてはキレの良いドリブラーだった家長だが、年齢と経験を重ねるにつれて巧みにプレースタイルを変え、進化してきた。現在は空間と時間を自在に操ることができるサイドのチャンスメーカーとして振る舞い、相手を欺くようなラストパスやハイクオリティーなシュートで貢献し続けている。「スキル」と「IQ」の高さこそ、魔術師が30代を超えてもなお輝きを失わない理由だ。

9位:浅野雄也

所属クラブ:北海道コンサドーレ札幌

生年月日:1997年2月17日

今季リーグ戦成績:13試合7得点2アシスト

2019年から昨季まで在籍したサンフレッチェ広島では公式戦12得点に留まるなど輝きを放つことができなかった。しかし、今季より活躍の場を北海道コンサドーレ札幌に移すと本領発揮。リーグ戦13試合を消化した時点で7得点をあげ、得点ランキング2位タイにつけている。

そんな浅野雄也の特徴は、兄・拓磨にも負けないスピードにある。縦に速い攻撃で得点を量産する札幌のスタイルと浅野の武器の相性はバッチリで、それがハイペースでゴールを重ねている理由の1つとなっている。また、ドリブル時や裏抜けだけでなく、前線からのディフェンスという部分でもJリーグ屈指の“速さ”は大きく役立っている。

ボックス内での嗅覚に加え、遠目の位置から積極的にシュートを放つ姿勢も光っている。もちろん、ただ打っているだけではなく、精度も十分。ここまでのリーグ戦における枠内シュート数12本はチームトップの数字であり、そのうち7つが得点に結びついていることからも決定力の高さがうかがえる。「攻撃」が「77」と高評価になったのは当然のことだ。

8位:永井謙佑

所属クラブ:名古屋グランパス

生年月日:1989年3月5日

今季リーグ戦成績:13試合3得点1アシスト

日本代表にも選出された経験を持つ永井謙佑は昨年、約5年半ぶりに名古屋グランパスに復帰。FC東京時代にも指導を受けた長谷川健太監督の下ですぐに主力となり、結果を残した。その永井は34歳となった今季も不動の存在として攻撃陣を牽引し、好調・名古屋を支えている。

圧倒的なスピードと運動量を武器にJリーグでプレーを続けてきた永井だが、30代を超えてもなおその強みは健在。それを証拠に、アタッキングサードでのスプリント数は127回でリーグ7位、トップスピードは35.0kmで同3位タイとさすがの成績を残している。長谷川監督の下で堅守速攻を志向する名古屋において、永井の“足”は欠かすことができないと言っていいだろう。

大柄ではないが、ボディコンタクトの強さは十分。そこに自慢のスピードが合わさることで、この男の縦突破はより迫力を増し、止めることが難しくなる。「フィジカル」の数値が「82」と飛び抜けたのは必然の結果だ。一方で狭いエリアでのプレーやパスで魅せることは少なく、「スキル」は攻撃的選手としてはやや低めとなった。

7位:仲川輝人

所属クラブ:FC東京

生年月日:1992年7月27日

今季リーグ戦成績:12試合4得点0アシスト

2019シーズン、仲川輝人は得点王と最優秀選手賞(MVP)を受賞。名実ともにJリーグ最強のアタッカーとなった。しかし、同シーズン以降は強力なライバルの加入もあって勢いがやや失速。迎えた2023シーズンは心機一転、横浜F・マリノスからFC東京に活躍の場を移している。

ドリブルの上手さは仲川という選手を語る上で外せないポイントだ。小柄でゴリゴリと突破していくタイプではないが、トップスピードに乗っても乱れない繊細なタッチや鋭い切り返しを駆使しながらボールを確実に運んでいく。右利きの右ウィングでありながら縦だけでなく、カットインでも勝負できる点も特長で、その変幻自在なプレーで多くのDFを苦しめてきた。

ストライカーではないが、シュートセンスも高い。利き足だけでなく、左足でも質の高いシュートを放つことができ、ボックス内でのフィニッシュも落ち着いている。今季リーグ戦におけるシュート成功率は30.8%と比較的高い数字が出ており、600分以上出場している選手の中でチーム1位に君臨している事実が、それを大きく証明していると言える。

6位:知念慶

所属クラブ:鹿島アントラーズ

生年月日:1995年3月17日

今季リーグ戦成績:13試合4得点0アシスト

大学卒業後に加入した川崎フロンターレで3度のJ1優勝などを経験した知念慶は、今季より鹿島アントラーズの一員となり、新たな冒険をスタートさせた。本職はCFだが、新チームではサイド起用がメイン。そのため、WGのランキングに名を連ねることになっている。

「78」という数値が表す通り、知念は「フィジカル」能力に長けたFWだ。体幹の強さを生かして球際ではそう簡単に負けず、非凡な跳躍力を誇るなどロングボールに対するプレーも苦にしていない。事実、今季リーグ戦における空中戦勝利数は44回を数えており、チーム内では植田直通に次ぐ2位、全体では9位と高位置につけている。

上記の通りサイド起用がメインだが、ドリブルやテクニックで違いを作り出すことは多くなく、「スキル」の数値は低めとなった。しかし、得点に対する意欲やゴール前での泥臭さという部分は他のFWよりも優れており、チームが苦しい時に気持ちを見せ、ここぞという時に点を取ることが珍しくない。そのため「攻撃」は「79」と自己最高数値となっている。

5位:水沼宏太

所属クラブ:横浜F・マリノス

生年月日:1990年2月22日

今季リーグ戦成績:13試合1得点5アシスト

2020年に横浜F・マリノスへ復帰して以降、水沼宏太の存在感はどんどんと増した。昨季はJ1制覇に貢献し、ベストイレブンに選出。さらに日本代表デビューも果たすなど、これ以上ないほど充実したシーズンを過ごしている。近年のJリーグを代表する“遅咲き”選手と言っていいだろう。

これまでのキャリアにおいてアシスト数がゴール数を上回っている通り、チャンスメークこそ水沼の真骨頂。今季もすでにリーグ2位タイとなる5アシストをマークしている。とくに右足から放つクロスの質はJリーグ最高レベルであり、ここまでリーグ戦においてチームトップとなる39本のクロスを繰り出しているなど、今季も持ち味を余すことなく発揮している。

また、味方の特徴を引き出す術を熟知しているなど、クロスに至るまでのコンビネーションプレーにも長ける。それが、「スキル」だけでなく「IQ」の高さにも反映されている。独力で打開する能力では同僚のヤン・マテウスに劣るが、先発起用でも途中出場でもチームに貢献できる貴重なベテランとして重宝されている。

4位:ファン・アラーノ

所属クラブ:ガンバ大阪

生年月日:1996年9月2日

今季リーグ戦成績:12試合2得点3アシスト

ブラジル出身のファン・アラーノは、昨季途中に鹿島アントラーズからガンバ大阪に移籍。すぐに主力となり、残留に貢献した。監督がダニエル・ポヤトスに変わった今季も立場は揺らいでおらず、チームは苦戦しているものの、個人としては奮闘を続けている。

テクニックの高さはさすがといったところで、ボールコントロールを誤ることは稀。ドリブルで打開できるタイプではないが、常に顔を上げながらプレーできているため、味方の動きを見逃さず、繊細なラストパスで確実に生かすことができる。今季ここまでのチャンスクリエイト数はリーグ4位となる36回。自身の長所を遺憾なく発揮しているゆえの結果だ。

「84」と圧巻の数値になった「スキル」に加え「フィジカル」も高評価。運動量が抜群に豊富で、90分間に渡り献身性を失わないことがその大きな理由だ。一方で「攻撃」はやや低め。今季リーグ戦でのシュート成功率が8.7%となっているなど、フィニッシュ面にはまだまだ課題を残している。アラーノに得点力がついてくれば、G大阪は苦境から抜け出せるかもしれない。

3位:武藤嘉紀

所属クラブ:ヴィッセル神戸

生年月日:1992年7月15日

今季リーグ戦成績:13試合4得点5アシスト

ワールドカップにも出場した経験を持つ武藤嘉紀は、ヴィッセル神戸に加入してから輝きを取り戻した。昨季は怪我に苦しんでしまったものの、今季はリーグ戦13試合の出場で4得点5アシストとコンスタントに結果を残しており、神戸が好調を維持する原動力となっている。

現在30歳とベテランの武藤だが、「フィジカル」能力の高さは相変わらず。非凡なスピードとボディコンタクトの強さを生かした縦への推進力は迫力満点で、カウンターを1人で完結してしまうほどの恐ろしさを誇る。また、跳躍力もあり、足だけでなく頭からの得点も期待できる。今季リーグ戦でもすでに2つのへディングゴールを奪っているなど、ボックス内での勝負強さは一流だ。

「攻撃」や「フィジカル」はもちろんこと、「守備」もFWの選手としては高い数値が出ている。とにかく運動量が豊富で、前線からの守備をサボることはまずない。ハイプレスと縦に素早い攻撃を徹底する神戸において武藤のそうした献身性は欠かせないと言っても過言ではなく、多くの若手選手にとってのお手本にもなっていることだろう。

2位:エウベル

所属クラブ:横浜F・マリノス

生年月日:1992年5月27日

今季リーグ戦成績:13試合4得点6アシスト

高い攻撃力を自慢とする横浜F・マリノスにおいて、エウベルの存在感は際立っている。今季はリーグ戦13試合に出場した時点で4得点6アシストをマークと、キャリアハイ更新に迫る勢いで結果を残している。お世辞抜きに、“エウベルで勝った”試合も多かった。

相手を一瞬で置き去りにしてしまうスピードに、身長170cmと小柄ながら体を寄せられても簡単には倒れないボディバランスを持つエウベルは1対1で無類の強さを誇る。今季リーグ戦ではすでにドリブル成功数43回を記録。マリノス内ではダントツ(2位がヤン・マテウスで18回)で、リーグ全体で見ても5番目に多い数字である。

そうした派手なプレースタイルとは裏腹に、キックは実に繊細。ボックス内でフリーになっている選手にピンポイントで届けるクロス、そして相手DFの間を縫うようなスルーパスでチャンスを作り出すのは日常茶飯事であり、ドリブル成功数と同じくチャンスクリエイト数でもチームトップに君臨している。攻撃を自慢とするマリノスの中でも、エウベルの「攻撃」性能と「スキル」は格別だ。

1位:マテウス・カストロ

所属クラブ:名古屋グランパス

生年月日:1994年9月11日

今季リーグ戦成績:13試合1得点2アシスト

長くJリーグで活躍している外国籍選手の1人がマテウス・カストロだ。大宮アルディージャで日本キャリアを始めると、2019年から現在に至るまで身を置く名古屋グランパスでは崩しの核に。クラブ史上初のYBCルヴァンカップ制覇を筆頭に、様々な部分で貢献してきた。

マテウスのドリブルの破壊力はJリーグ屈指である。スピードと力強さがあり、仕掛けてからゴール前に侵入するまでが一瞬。その中でもコントロールがおぼつくことは滅多になく、小回りを利かせて自由自在に方向を変えるなど、相手DFの対応を困難なものとさせる。今季リーグ戦でもすでにチームトップ、また全体8位となる33回のドリブル成功数を記録と、さすがの強さをみせている。

名古屋でセットプレーのキッカーを任されている事実が示す通り、キック精度も非凡。クロスやラストパスはもちろん、フィニッシュにも役立っており、パワーの伴った左足で目を見張るようなシュートを叩き込むことが多々ある。「スキル」、「攻撃」、「フィジカル」に関しては文句のつけどころがなく、ユンカーが加入した今季は、より自由度の高いポジショニングで攻撃陣を牽引している。

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