Jリーグ最強SBは誰だ!? 能力値ランキング1~10位。キャラが濃い!? 33歳がトップに君臨

明治安田生命Jリーグには、様々な特徴を持つ選手が活躍している。サッカーという競技の特性上、彼らの能力を数値化するのは極めて困難であることを承知の上で、フットボールチャンネルでは今季のスタッツを中心に様々なデータを集計し、5項目の能力に分類して数値化してランキングで紹介する。(WBでプレーする選手を含む。5月1日時点でリーグ戦の出場時間が450分以上の選手が対象。データは10日時点)

10位:明本考浩

所属クラブ: 浦和レッズ

生年月日:1998年1月31日

今季リーグ戦成績:9試合2得点0アシスト

明本考浩はマチェイ・スコルジャ監督の下で左サイドバックを任されている。DFからFWまで万能にこなせるユーティリティーな選手で、酒井宏樹が欠場した際に右サイドバックを務めた試合もあり、与えられたタスクを柔軟にこなすことのできる貴重な存在でもある。

すべての項目で「60」以上というバランスの取れた能力を持つが、中でも「フィジカル」は「75」と高い数値となった。170cmと小柄にもかかわらず、空中戦勝率は74.1%と高く、AFCチャンピオンズリーグ決勝の影響で消化試合数が少ないにもかかわらず、走行距離やスプリント回数といったスタッツでもリーグ上位に名を連ねる。

今季挙げた2得点はいずれも難しい体勢から決めたボレーシュート。ボックス内の強さは攻守両面で発揮されていると言えるだろう。限られたチャンスをものにする決定力はFW顔負けで、サイドバックにもかかわらず「攻撃」が「65」という高い数字を残している。

9位:金子拓郎

所属クラブ:北海道コンサドーレ札幌

生年月日:1997年7月30日

今季リーグ戦成績:12試合5得点2アシスト

前橋育英高校から日本大学に進み、4年次に特別指定選手としてプロデビューを果たした金子拓郎は、Jリーグ屈指のドリブラーへと成長した。プロ3年目でJリーグ通算100試合出場を達成し、今季はリーグ戦フルタイム出場を続けている。

表記としては右ウイングバックだが、北海道コンサドーレ札幌で与えられる役割はウイングそのものだ。右サイドから積極的にドリブルで仕掛けてチャンスを生み出していく。ドリブル数82回はリーグダントツの数字で、クロス数もリーグトップの55回を記録している。「スキル」の高さは金子の武器で、「80」という高い数字を残している。

ここまで5得点を挙げており、攻撃面での印象が強い。ボール非保持時のスプリント回数104回はリーグ14位となっており、オフ・ザ・ボールでの貢献度も高い。リーグ8位の被ファウル24回は、相手に警戒されている証でもある。同ポジションの選手に比べると「守備」の数字でやや劣ることになるが、攻撃的なウイングバックとして高い能力を持っていることが分かる。

8位:石原広教

所属クラブ:湘南ベルマーレ

生年月日:1999年2月26日

今季リーグ戦成績:11試合0得点0アシスト

小学生の頃から湘南ベルマーレに在籍していた石原広教は、アカデミーの先輩にあたる遠藤航がかつてつけた背番号3をつけている。3バックと両ウイングバックの5つのポジションをこなせるユーティリティーな選手で、2021シーズンには22歳ながらキャプテンを務めた経験もある。

マルシーニョやエウベルといったスピードのあるウイングとのマッチアップを苦にしない「フィジカル」を持つ。時速34.1kmというトップスピードはリーグトップクラスの数字で、スプリント回数はリーグ5位の231回を記録している。空中戦勝率は53.3%でさほど高くないが、ウイングバックというポジションと169cmという体格を考慮すれば十分な数字だろう。

サイドを上下動して攻守に貢献するのが持ち味で、「IQ」が「69」という高い数字になったのは、オフ・ザ・ボールでの献身的なスプリントなどが評価されたのが一因となっている。ゴールやアシストといった数字こそないが、高い戦術理解度を持ち、ハードワークし続けられる石原は、どのチームにも重宝されるであろうチームプレーヤーと言えるだろう。

7位:初瀬亮

所属クラブ:ヴィッセル神戸

生年月日:1997年7月10日

今季リーグ戦成績:12試合1得点2アシスト

ガンバ大阪出身の初瀬亮はこの世代のフロントランナーで、20歳のときに日本代表初選出を経験した。その後は紆余曲折を経て25歳となり、今季は首位を走るヴィッセル神戸の左サイドバックとして開幕から全試合に先発起用されている。

最大の特徴はキックの精度で、「スキル」は「80」の大台に達した。ロングパス数はフィールドプレーヤー最多の142回で、神戸ではセットプレーのキッカーを務めている。先月29日の湘南ベルマーレ戦ではゴール正面のFKから直接ゴールを決めている。左利きだが、右足でも素晴らしいフィードを送れるのも魅力である。

オフェンス面での貢献度の高さはリーグでもトップクラスだろう。それでもディフェンス面を見るとトップとは開きがある。タックル成功率は38.9%に留まり、スプリント回数でも反対サイドの酒井高徳とは57回の差がある。このあたりが伸びていけば、6年ぶりの日本代表選出も見えてくるのかもしれない。

6位:東俊希

所属クラブ:サンフレッチェ広島

生年月日:2000年7月28日

今季リーグ戦成績:11試合2得点1アシスト

サンフレッチェ広島アカデミー出身の東俊希は、選手生命を脅かしかねない大怪我を乗り越えて復活を果たしている。昨年7月の試合で負傷し、左下腿コンパートメント症候群と診断された。手術を受けて残りのシーズンを全休し、今春のキャンプを経て開幕節の先発メンバーに名を連ねた。主に左ウイングバックで起用され、2得点1アシストという数字を残している。

チャンスクリエイト数18回はリーグ上位の数字で、スルーパス数もチームトップの30回を記録している。チャンスに直結するプレーのクオリティが「70」の大台に乗った「攻撃」力の高さを示している。「スキル」が同ポジション最高タイの「82」となっているのは、左足から放たれる精度の高いキックがあるからこそ。クロス数はリーグ6位タイの41回を記録している。

空中戦勝率が33.3%、タックル成功率も44.4%という低い数字に留まり、「守備」と「フィジカル」はトップ10では最低値となった。攻撃面ではトップクラスのスタッツを残しているだけに、守備面の数字が伸びていけば、Jリーグ屈指のサイドプレーヤーへと成長することができるだろう。

5位:森下龍矢

所属クラブ:名古屋グランパス

生年月日:1997年4月11日

今季リーグ戦成績:12試合2得点2アシスト

森下龍矢は堅守速攻を武器に上位争いに食い込む名古屋グランパスのサイドを担う。開幕当初は右サイドでの起用が多かったが、4月以降は左サイドを主戦場に活躍しており、すでに昨季を上回る2得点をマークしている。

自身最高値は「73」の「フィジカル」で、無尽蔵のスタミナが森下の武器になっている。スプリント回数はリーグ3位の265回で、そのうち153回はボール保持時。カウンター時の推進力溢れるランニングが名古屋の攻撃を支えていると言えるだろう。

それ以外の4項目も比較的高い数字を残していることから分かるように、大きな穴が無いのも森下の特徴だ。168cmと小柄だが、身体を張った「守備」にも定評があり、シュートブロック数はリーグ8位の30回を記録。タックル成功率も76.0%という優れたスタッツを残している。左サイドに移ってからはチャンスに絡む場面も増えており、シュート9本で2得点という決定力の高さを見せている。

4位:酒井高徳

所属クラブ:ヴィッセル神戸

生年月日:1991年3月14日

今季リーグ戦成績:11試合2得点1アシスト

酒井高徳は日本代表で通算42試合に出場し、ドイツで7年半プレーするという輝かしい実績を持つ。2019年夏に加入したヴィッセル神戸でも主力として活躍し、直近2シーズンは全試合に出場するというタフさを見せている。

豊富な経験で培われた状況判断能力は素晴らしく、「IQ」は自己最高値の「74」となった。「守備」面でも軒並み高い数値をたたき出しており、タックル成功率はチームトップの78.8%を記録している。さらに、デュエル勝利数でリーグ11位の35回を記録しているにもかかわらず、ファウル数はわずか5回。奪いきる能力が高く、「70」となった「守備」は同ポジション最高値となった。

パスで攻撃を組み立てる初瀬亮とは対照的に、右サイドを上下動して攻撃に絡んでいく。これまではリーグ戦1得点が最高だったが、ガンバ大阪戦で2得点を挙げてキャリアハイを更新している。32歳となった今も衰えの兆候はなく、攻守にエネルギッシュな活躍を見せている。

3位:永戸勝也

所属クラブ:横浜F・マリノス

生年月日:1995年1月15日

今季リーグ戦成績:11試合0得点0アシスト

 法政大学からベガルタ仙台に加入した永戸勝也は、2019年にリーグ戦10アシストを記録した。翌年から2シーズンは鹿島アントラーズでプレーし、昨季、横浜F・マリノスに加入。在籍2年目の今季は開幕から左サイドバックの地位を不動のものとしている。

 インサイドに絞ってビルドアップに関わりつつ、機を見て最前線へと飛び出していくプレーは、相手守備陣を混乱に陥れる。絶妙な動き出しやポジショニングの良さが「IQ」の高さに表れている。左足から繰り出されるキックの精度も高く、「スキル」も「71」という高い数値となった。

 ディフェンス面での貢献度も高い。特に、空中戦勝率は69.2%で、チームではエドゥアルドに次ぐ数字となっている。シュートブロック数やデュエル勝利数でもチームトップの数字を残しており、強度の高い守備が不可欠のマリノスのフットボールを最終ラインから支えていることがデータからうかがい知ることができる。リーグ3位という結果も妥当な活躍を見せている。

2位:山根視来

所属クラブ: 川崎フロンターレ

生年月日:1993年12月22日

今季リーグ戦成績:12試合6得点2アシスト

湘南ベルマーレで最終ラインにコンバートされた山根視来は、2020年に加入した川崎フロンターレで日本を代表する選手へと成長した。3年連続でベストイレブンに輝き、昨年はFIFAワールドカップにも出場している。

最大の特徴はDFらしからぬ積極的な攻撃参加だ。「攻撃」は「69」という高い数値となっており、敵陣パス数は家長昭博に次ぐリーグ2位の425回を記録している。チャンスクリエイト数でもDFとしては2位の22回をマーク。狭いエリアも突破できる「スキル」の高さを活かしてチャンスを生み出している。

山根の凄いところは、攻撃的でありながら「守備」にも労を惜しまないところにある。走行距離はDFの中で最多の130.0kmで、タックル成功率も63.6%という高い数字を残している。「IQ」の高さも指折り。攻撃では危険なエリアに入っていくランニングが効果的で、守備ではタイミング抜群のインターセプトや、身体を張ったシュートブロックでチームを何度も救っている。

1位:酒井宏樹

所属クラブ: 浦和レッズ

生年月日:1990年4月12日

今季リーグ戦成績:7試合1得点0アシスト

ドイツのハノーファーで4年間、フランスのマルセイユで5年間プレーした酒井宏樹は、2021年夏に浦和レッズに加入している。日本代表としてFIFAワールドカップに3度出場した実績を持つ男は、33歳となった今もJリーグで格の違いを見せつけている。

もはや規格外と表現すべき「フィジカル」を活かして攻守に輝いている。空中戦勝率は59.1%を記録しており、「守備」は「68」という高い数値となった。今季は怪我で2試合を欠場しているにもかかわらず、チームトップのタックル数17回をマーク。「フィジカル」はトップ10で最高値となる「78」となった。

また、攻撃面でも能力の高さを示している。チャンスクリエイト数12回、クロス数17回はチームダントツの数字で、精度の高い右足からのクロスは酒井の武器になっている。すべての項目で「66」以上という高数値を残していることからも、全体的なプレーの質の高さをうかがい知ることができる。平均値は「70.2」で、サイドバック唯一の70超えという結果になった。

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