香川と「楽しみ」初対決!G大阪・宇佐美「ゴールして勝てば、3本の指に入る思い出深いゴールに」
公式戦60回目の節目を迎える「大阪ダービー」がきょう3日、パナソニックスタジアム吹田で開催される。G大阪FW宇佐美貴史(30)は本紙のインタビューに応じ、19年5月18日以来8試合ぶりとなるリーグ戦での宿敵撃破へ気合満点。C大阪MF香川真司(34)との初対決を心待ちにする。一方の香川は特別な一戦の意味を理解し、チーム浮上のために必勝を期す。
「悔しい思いばかりさせられている」――。19年夏にデュッセルドルフからG大阪に復帰して以降、宇佐美はリーグ戦での大阪ダービー勝利を味わっていない。「試合巧者というか相手にうまく守られて、したたかにやられている試合が多い」。ダニエル・ポヤトス監督を迎え入れた今季はリーグ戦10試合で1勝。チーム状況が良いとは言えないものの「内容は関係ない。最後に勝っていれば何でもいい」と言い切った。
個人としても大きな注目を集める。C大阪には今季復帰した香川がいる。「ドイツでも真司くんとの対戦経験がない。日本代表のチームメートとしてはうまいし、頼もしい。日本サッカーをけん引してきた方で、リスペクトしかない。そういう人と初めて戦うのは不思議な感じ」。3月のルヴァン杯では自身の負傷により対戦は実現しなかった。今季はともにインテリオール(インサイドハーフ)と呼ばれるポジションでプレーしており、マッチアップする可能性には「楽しみですね」と瞳を輝かせた。
「相手が前線からプレスをかけてくるのかどうか。こっちがボールを保持すれば、相手も保持しようとしてくるかもしれない。その辺の状況を見極めながら、真司くんあたりが下りてきてボールを落ち着かせてくると思う」。海外やW杯で多くの経験を積んできた両クラブのシンボルがどれだけ流れを読み、どれだけ優位に立てるかが重要になる。
主将として迎える初めてのダービーだが「気持ちは特に変わらない。主将だからといって、さらに熱くなることはない。ダービーはダービーなので」という。ピッチに立てば肩書も実績も関係ない。誰しも100%で熱くなる。コロナ禍以降、リーグ戦では最多観客となる3万4000人の来場が見込める伝統の一戦。「ゴールして勝つことができれば、キャリアの中で3本の指に入るような思い出深いゴールになる。そこを目指したい」。10年9月以来のC大阪戦ゴールで、サポーターに歓喜を届ける。
(飯間 健)
◇宇佐美 貴史(うさみ・たかし)1992年(平4)5月6日生まれ、京都府長岡京市出身の30歳。G大阪アカデミーを経て高校2年時の09年に飛び級で昇格。同年5月のACLソウル戦で当時クラブ最年少デビューを果たす。19歳だった11年にBミュンヘンへ移籍。G大阪への一時復帰を経て16年6月にアウクスブルクへ移籍し、19年6月にG大阪に復帰。18年W杯ロシア大会出場。国際Aマッチ27試合3得点。J1通算217試合67得点。1メートル78、69キロ。利き足は右。
【大阪ダービー アラカルト】
☆初対戦 1995年5月3日(長居第2)に行われ、C大阪がパナマ代表FWバルデスの得点で1―0勝利。
☆通算成績 G大阪から見て27勝12分け20敗。直近10試合はC大阪が6勝3分け1敗でリード。22年はC大阪が1999年以来23年ぶりとなるシーズンダブルを達成。
☆打ち合い!? 過去59回の大阪ダービーでスコアレスドローに終わったのは22年4月23日のルヴァン杯1次リーグの1回のみ。
☆隠れG大阪キラー C大阪MF奥埜はJ2長崎や仙台時代を含めると通算6得点。C大阪移籍後は3得点している。G大阪MF倉田は両クラブで大阪ダービーゴールを記録した唯一の日本人選手。通算3得点。
☆最多観客 4万2723人。2014年4月12日、ヤンマースタジアム開催にて。ウルグアイ代表FWフォルランとMF阿部(現湘南)がそれぞれ2得点を挙げドロー。