U―22日本代表DF加藤聖「見返すくらいの気持ち」長崎での現状打破につながる代表合宿に

長崎のU―22日本代表DF加藤聖は、”現状打破”のきっかけにすべく、4日間の同代表候補合宿に挑む。25日は千葉市内で2部練習を行った。

大岩剛監督が率いるパリ五輪チーム発足から1年4か月が過ぎた。左足の高い精度を誇り、当初から継続的に左サイドバックの主力として招集されてきた加藤だが、ここ最近はクラブで苦しい時期が続く。リーグ戦の出場は今季2試合でいずれも途中出場。「(長崎の)スタッフに言われているのは背後の対応をもっと改善するところ。日々の練習の意識と練習後の取り組みで改善できつつあって、監督からも褒められるようになってきてはいるし、ベンチ入りした試合でもアシストを記録として残したり。でも実際には試合に絡めてない現状がある」と自らの課題と向き合いつつも「何で出られないんだろう」ともどかしい胸中を吐露した。

くじけそうな瞬間も多いが、踏ん張っている。「そこで違う方を向いたり腐ったら終わり。日々、『なにくそ』というか、見返すくらいの気持ちでやっている」。守備対応をさらに磨いた上で、必要だと痛感しているのはわかりやすい数字。「攻撃のところでもっと積極性を出していきたい。結果を出せば自然と試合に出られると思うので、練習からアシストとかもっと取れるように意識したい」と前向きにトレーニングに励む。

3月の欧州遠征ではドイツ、ベルギーと対戦。チームとして勝利はつかめずも、欧州トップレベルの選手たちとぶつかり合ったことは日常の基準を上げるものさしとなった。もっとも、「もっと試合に出た状態で出ていればまた違った感情になったかもしれない」。試合勘の「不安は正直あった」という。それは今回の遠征で如実に表れたが、加藤に限らず出場機会をつかめず苦しむ多くのパリ世代の選手たちに言えたこと。「守備のところでつぶしきること、背後のケアは手応えがあったけど、攻撃のところでもうちょっと質を上げたり、クロスを通す回数を上げていかないといけないのはすごく感じた」と収穫も大きかったが、今後、代表に招集されるためにも、かつ一つ一つの試合をより実りあるものにするためにも、所属チームでどれだけピッチに立つことが重要か今一度、思い知った。

左サイドバックは法大のDF今野息吹(来季G大阪内定)も3月の活動で追加招集されるなど、新たな戦力も加わり、ここから競争は激しさを増す。今回の合宿はラージグループの底上げが大きな目的で、初招集の選手も半数以上。大岩ジャパンのコンセプトは人一倍理解しているだけに、「コミュニケーションを取りながらプレーで示していきたい」と積極性を持ちながら先頭に立っていく構えだ。

大岩監督も加藤の苦しい状況に理解を示しつつ「いろんなことが悩ましいとは思うが、ここでまた基準を上げて自チームに戻ってもらいたい」と話した。「ここで強度の高い練習ができることは今の自分のコンディション的にも状況的にもプラスにしかならない。ここでアピールできれば、パリ五輪に選ばれていくことにもつながっていく。持っている力を出すことと、求められていることをしっかりやる意識でやっていきたい」。26日の最終日は紅白戦を実施。五輪チームや長崎での立ち位置を上げるべく、すべてを出し切る。

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