日本代表FW中村敬斗、「今だから言える」リアルな海外移籍事情 G大阪から欧州へ「もしやり直せるなら…」【現地発】

【インタビュー】オランダとベルギーも経験、「最初からオーストリア2部」と語る理由

オーストリア1部LASKリンツで今季リーグ戦24試合に出場し、13ゴール7アシスト(4月18日時点)と出色のパフォーマンスを披露する日本代表FW中村敬斗。22歳のアタッカーは、「今だからこそ言える」と自身の経験を基にしたリアルな海外移籍事情について言及し、海外挑戦をやり直せるなら「最初からオーストリア2部を選ぶ」と明かしている。(取材・文=中野吉之伴/全4回の3回目)

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現在LASKで主軸としてプレーしている中村は、オランダやベルギーで試合に出られない時期もあり、ここにたどり着くまでに苦労を重ねた。海外移籍をした際、選手も最初は気持ちの面で勢いがあり、試合でテスト起用されるケースも多い。しかし上手くいかなくなった時にどうすればいいのか。そしてどのように向き合えばいいのか。その対処法をある程度身に付けておかないと、そこから挽回するのは簡単ではない。

「僕もやっぱりそうした経験がなかった。海外リーグでやるために必要なメンタリティーも最初はなかったのかなと思います。オランダやベルギーでプレーしていた頃、チームが負けて、自分のプレーが良くなくなってくると、気持ちも下がってしまう。そうなると絶対良くないパフォーマンスになる。たかだか1試合良くない程度であればどうってことないはずなのに考えすぎちゃうんですよね、特に若い時は。相手との相性や相手の調子、相手が対策してきたら上手くいかない時だって当然あるじゃないですか。『考えすぎたり、悩みすぎる必要はない』っていうのを今、LASKリンツに来てやっと学んだかなと思います」(中村)

海外移籍のあり方については、さまざまなパターンや考え方がある。中村自身はどのように捉えているのか。そのあたりを聞きたくて、「今振り返って、もし海外に来る時の自分に『最初にちょっと苦労したオランダ・ベルギールート、オーストリア2部リーグのジュニアーズで経験を積んでLASKリンツのトップチームを目指すルート』という2つの選択肢があったとしたら、どちらを選ぶ?」という質問をしてみた。

「いい質問ですね。3年4年前の自分が、ですよね」

中村はそう語ると、好奇心を持った表情を見せながら少し考え、次のように答えた。

「今だからこそ言えるのは、多分最初からオーストリアを選んでいるかなと思うんですよね。オランダ・ベルギーを経験したから今があると感じているのもあるんですけど、こっちに来て試合に出られなくなる可能性が低くはないと思うので、もしやり直せるなら最初からオーストリア2部へ行って、そこで1~2年しっかり経験を積み、そこからその国の1部にチャレンジ、というのを選ぶかなと思います。そして1部リーグでまた1~2年やって、さらにステップアップっていうふうにやると思いますね」

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