【データが語る】今季J1はPK成功率94% 日本選手10本全て成功、求められるGKの奮起
今季のJ1はPK成功率が過去最高の93・8%に達する。試行16で失敗はガンバ大阪のチュニジア代表FWジェバリの1本だけ。日本選手は10本全て成功している。15日の第8節ではヴィッセル神戸FW大迫勇也(32)と浦和レッズFW興梠慎三(36)のベテラン2人がともにGKの逆を突いて今季初のPKゴールを決めた。
昨季までのJ1通算のPK成功率は78・7%。シーズン最高は13年の89・8%で、90・0%を超えたシーズンはなかった。昨年のFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会で日本代表はクロアチアとのPK戦で3人が失敗。目標としていた8強入りを逃し、PKの重要性が指摘された。その反省からだろうか、今季J1のPK成功率は高まっている。
これまでJ1でキッカーを任されていなかった選手の冷静なキックも目立ち、U-22日本代表の柏レイソルFW細谷真大(21)、プロ2年目のサンフレッチェ広島FW満田誠(23)ら5人が勝ち点に直結するような場面でも落ち着いてJ1初のPKゴールを決めた。横浜FCのFW小川航基(25)は2本蹴って2本成功。VARの影響もあって今後もPKの場面は増えそうだが、日本選手の連続成功はどこまで続くか。
その一方で、GKのPKセーブはなく、唯一の失敗だったガンバ大阪FWジェバリのキックは枠外。W杯カタール大会ではクロアチア代表リバコビッチのPKストップなどGKの存在が大きくクローズアップされた。キックの方向などPKにおけるデータ分析が進む中、キッカーだけでなく、GKの奮起も求められそうだ。
【石川秀和】
◆今季J1のPK(キッカー=GK)
1節○細谷真大(柏)=谷晃生(G大阪)
2節○金子拓郎(札幌)=前川黛也(神戸)
2節○家長昭博(川崎F)=早川友基(鹿島)
3節○小川航基(横浜FC)=早川友基(鹿島)
3節○パトリック(京都)=スウォビィク(東京)
3節○ショルツ(浦和)=キム・ジンヒョン(C大阪)
4節○満田 誠(広島)=東口順昭(G大阪)
6節○山岸祐也(福岡)=市川暉記(横浜FC)
6節○小川航基(横浜FC)=永石拓海(福岡)
6節○Dヴィエイラ(広島)=早川友基(鹿島)
6節×ジェバリ(G大阪)=富居大樹(湘南)
7節○レオ・セアラ(C大阪)=ク・ソンユン(札幌)
7節○ルキアン(福岡)=太田岳志(京都)
8節○紺野和也(福岡)=小島亨介(新潟)
8節○興梠慎三(浦和)=ク・ソンユン(札幌)
8節○大迫勇也(神戸)=早川友基(鹿島)
◆J1年度別PK成功率(※PK戦除く)
年 成功率 成功/失敗
93年 63.0% 17/10
94年 73.2% 52/19
95年 67.6% 96/46
96年 67.3% 35/17
97年 85.0% 51/9
98年 78.6% 55/15
99年 71.7% 38/15
00年 73.7% 42/15
01年 80.4% 45/11
02年 85.5% 59/10
03年 82.5% 33/7
04年 87.9% 51/7
05年 76.1% 51/16
06年 84.8% 56/10
07年 81.5% 44/10
08年 64.7% 33/18
09年 88.9% 48/6
10年 81.4% 48/11
11年 77.9% 53/15
12年 74.1% 40/14
13年 89.8% 53/6
14年 75.0% 45/15
15年 78.8% 52/14
16年 81.0% 47/11
17年 85.2% 46/8
18年 80.0% 56/14
19年 86.2% 50/8
20年 82.4% 42/9
21年 80.3% 57/14
22年 82.0% 41/9
23年 93.8% 15/1