【番記者の視点】今季初勝利のG大阪 ラビ&ジェバリの新助っ人が示した勝利への道筋

◆明治安田生命J1リーグ 第7節 G大阪2―0川崎(9日・パナスタ)

【G大阪担当・金川誉】助っ人の評価を簡単に下すにはまだ早い、とは思うのだが…。すでに“当たり”のにおいは十分に漂っている。今季リーグ戦初勝利した川崎戦、イスラエル代表MFラビとチュニジア代表FWジェバリの存在感が際立った。試合を決める得点を挙げたMFダワンとアラーノ、昨季から所属するブラジル人コンビも、もちろん光った。しかし試合後には『ネタラヴィ』がTwitterのトレンド入り。ジェバリも含め新助っ人たちのフィットが、確実にチーム力をアップさせていた。

アンカーの位置で試合をコントロールしたラビは、チーム2点目の起点となった。1点リードの後半5分、右サイドで相手の守備を引き寄せると、ジェバリへの縦パスでリズムを変えた。リターンを受けると、鋭く中央のダワンへ展開。ダワンが左サイドでフリーとなっていたMFアラーノへとつなぎ、貴重な2点目が生まれた。またプレスをいなす独特のターンには、チームメートも感服。DF黒川は「ネタのおかげで中盤で優位性を作れている。本来ならネタに預けて、リターンをもらって空いたスペースを利用しようと思っていたけど、それをネタがひとりでやってくれていた」と絶賛した。

ゴールはなかったジェバリも、センターFWの役割を遂行した。ポヤトス監督は「ボールの引き出し方、ビルドアップのところでチームを助け、9番としてすばらしい活躍をしてくれた。彼の一番の良さは、スペースをしっかり把握できるところ。同時にボールをもらいに下がった時、相手のセンターバックが付いていくのか、付いていかないとかという相手を混乱させる役割を担ってくれた」と評価した。攻撃のセンターラインを担うふたりが、実力を発揮し始めたことは大きい。

またふたりに共通するのが、リーダーの資質だ。イスラエルの名門・マッカビハイファで主将を務めてきたネタは、加入当初から身ぶり手ぶり、英語も交えてチームメートへの要求を続ける。またジェバリも0―4と大敗した前節湘南戦(1日)の翌日、ミーティングで「もっと気持ちを出して戦う必要がある。その上でお互いを信頼し合おう」と訴えるなど、新加入とは思えないほどのアクションを見せている。ジェバリは日本人の印象について「本当に思いやりがあって、優しい性格を持っている。正直言うと、それがピッチにも現れていると感じる」と分析していた。すぐにチームの問題点を見抜き、解決へと動くあたりに頼もしさを感じる。

この日、ふたりはともにイエローカードを受けている。ボールロストからカウンターを受けそうになった場面で、戦術的なファウルを迷わず選択した結果だ。イージーな失点が続いていたチームを引き締め、今季初勝利をもたらしたふたり。イスラエルとチュニジアというJリーグにはなじみの薄い両国からやってきた“助っ人”が、まさにその名に恥じぬ存在感を示し始めた。

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