ガンバ大阪、ユースの森下監督をパワハラで退任 選手らに不適切言動
サッカーJ1のガンバ大阪は、指導の適正範囲を超えた不適切な言動があったとしてユースチームの森下仁志監督(50)の退任を発表した。31日に記者会見した和田昌裕・強化アカデミー担当取締役は「パワーハラスメントに該当する。心労を受けた選手、保護者の皆様に心からおわびしたい」と謝罪した。退任は30日付。
クラブによると、2月下旬、森下監督の指導について一部のアカデミー選手から「不適切な言動が見受けられる」と訴えがあり、調査を開始。2021年の森下監督の就任以降、16~18歳のユースチームの複数の選手に対して複数回、威圧的な叱責の繰り返しや侮辱的な発言があり、スタッフへの同様の行為もあった。暴力行為はなかった。
森下監督も認めたことから退任が決まった。森下監督は「プロとしての厳しさを求めた」などと話していたという。
ガ大阪ユースは堂安律選手(フライブルク)や宇佐美貴史選手(ガ大阪)ら日本代表選手を多く輩出した日本有数の育成チーム。松波正信・アカデミーダイレクターは不適切言動について「初耳だった。モニタリング不足だった」と釈明。クラブは再発防止策として社内教育の再徹底や社内相談窓口の強化を打ち出した。
森下氏はガ大阪などでプレーした元Jリーガーで、磐田や鳥栖で監督を務めるなど指導経験は豊富だった。育成の名門で起きた不祥事に、松波氏は「このようなことが起きて重く受け止めている」と声を落とした。【吉見裕都】