日本代表、新メンバー6人の通信簿。A~Cの3段階評価、良かったのは?

FIFAワールドカップカタール2022後、新体制となったサッカー日本代表メンバーは26人中5人が初招集となり、キリンチャレンジカップ2023で3人が日本代表デビューを飾った。そこで今回は、初招集された選手とデビューを飾った選手をピックアップし、キリンチャレンジカップ2023での活躍を3段階(A~C)で評価する。

FW:中村敬斗(LASKリンツ/オーストリア)

生年月日:2000年7月28日(22歳)

ウルグアイ代表戦:89分 IN

コロンビア代表戦:出場なし

評価:出場時間短くなし

19歳で欧州へ渡った中村敬斗はオランダやベルギーで苦しい時間を過ごしたが、2021年8月にオーストリアのLASKリンツへ加入すると、ついに才能が開花。今季公式戦25試合14得点7アシストという凄まじい活躍を見せたことで、日本代表に初招集された。

その中村は、ウルグアイ代表戦に89分から出場。三笘薫と代わってピッチに入り、日本代表デビューを果たした。しかし、出場時間はわずか数分だったため、得意の切れ味鋭いドリブルやストロングポイントである高精度のシュートを見せることができなかった。

28日に行われたコロンビア代表戦では活躍を期待されたが、出番が回ってくることはなく、ベンチで試合を見届けることになった。結局、2試合の合計出場時間はわずか1分程度。選手本人にとっても期待していたサポーターにとっても残念な結果であることは言うまでもなく、左サイドのポジション争いに新たな競争は生まれなかった。

DF:バングーナガンデ佳史扶(FC東京)

生年月日:2001年9月24日(21歳)

ウルグアイ代表戦:出場なし

コロンビア代表戦:59分 OUT

評価:B

ガーナ人の父と日本人の母の間に生まれたバングーナガンデ佳史扶は、FC東京U-15深川を経て2017年にFC東京U-18に昇格。2019年にわずか17歳でトップチームデビューを果たした逸材だ。その後、2021年に右膝外側半月板損傷という大怪我を負ったが、2022年に復帰後は持ち前のスピードと球際の強さを発揮して定位置を確保している。

FC東京での活躍により、バングーナガンデは今シリーズで日本代表に初選出された。24日に行われたウルグアイ代表戦は出番がなかったが、28日のコロンビア代表戦ではスタメンに名を連ね、日本代表デビューを飾った。

同試合においてバングーナガンデは、随所で持ち前の球際の強さを発揮。また、積極的な攻撃参加や、11分にはコーナーキックのキッカーを務めてゴール前へ鋭いクロスを入れるなど、デビュー戦で堂々としたプレーを披露した。パフォーマンスは悪くなかっただけに、59分の不運な負傷交代は残念だった。”ポスト長友”となり得るこの21歳SBが、今後日本代表で定位置を確保する可能性は十分にあるだろう。

DF:瀬古歩夢(グラスホッパー/スイス)

生年月日:2000年6月7日(22歳)

ウルグアイ代表戦:フル出場

コロンビア代表戦:59分 IN

評価:C

セレッソ大阪出身の若きセンターバックが日本代表デビューを果たした。瀬古歩夢は昨年1月の代表候補合宿で日本代表に初選出されたが、体調不良により参加できず。その後、同年9月に行われたキリンチャレンジカップ2022に臨むメンバーに名を連ねたが、出場機会は回ってこなかった。だが、スイスのグラスホッパーで急成長を遂げた瀬古は、新体制となった森保ジャパンの初陣、ウルグアイ代表戦で先発に名を連ねた。

板倉滉の相方を務めた同試合では、終始安定したプレーを披露。25分のファクンド・ペジストリをスライディングで止めた場面や、76分の先を読んだスライディングでマキシ・ゴメスにシュートを打たせなかった場面は見事だった。持ち味である正確なロングフィードはあまり見せることが出来なかったが、それでも守備時の対応は光っていた。

デビュー戦でフル出場を果たした瀬古は、続くコロンビア代表戦に59分から出場した。バングーナガンデ佳史扶のアクシデントを受けCBに入ったが、その直後にロングボールの処理をミス。失点を招いてしまった。。また、ビルドアップでも狙われている伊藤洋輝に強引なパスをつけるなど、安定感を発揮したとは言い難く、ウルグアイ代表戦から一転、コロンビア代表戦は残念な結果に。今回の2試合で日本代表定着を確信させたとは言えない。

DF:半田陸(ガンバ大阪)

生年月日:2002年1月1日(21歳)

ウルグアイ代表戦:出場なし

コロンビア代表戦:出場なし

評価:なし

年代別の日本代表ではキャプテンを務め、来年のパリ五輪に向けて活動するU-22日本代表の主力である半田陸は、今回の活動で日本代表に初めて招集されている。今季からガンバ大阪に加入し、開幕から右サイドバックを任されていた。

ユース時代はセンターバックを主戦場としていたが、トップチームでは右サイドバックを務める。対人守備に強みを持ちながらも、攻撃では周囲との関わりでチームに貢献できる頭脳派だ。モンテディオ山形時代にピーター・クラモフスキー監督に仕込まれたポジショニングの良さは武器。合宿中も「サイドバックが内側に入ってやるところは僕が一番慣れている。スムーズに動けると思っているので、チームがうまくいくようなプレーを」と活躍のイメージを広げていた。

「個々のレベルはガンバと全然違う。(ボールを持ったときの)懐の深さを感じた」と日本代表のレベルの高さを感じつつ、「そういった環境で練習する方が僕は好きで、楽しくやれている」と頼もしい言葉も残していた。残念ながら今回は出場機会が与えられなかったが、今後もJリーグで結果を残していけば、再びチャンスが回ってくる可能性はあるだろう。

DF:藤井陽也(名古屋グランパス)

生年月日:2000年12月26日(22歳)

ウルグアイ代表戦:出場なし

コロンビア代表戦:出場なし

評価:なし

昨季、藤井陽也は同僚の長期離脱や3バックへの変更により、名古屋グランパスの最終ラインに定着し、リーグ戦31試合に出場した。今季もリーグ最少失点の名古屋を支える藤井は、横浜F・マリノスDF角田涼太朗の代替選手として日本代表初選出を果たしている。

グランパスアカデミー出身の藤井は、187cmという恵まれた体格を持ち、広大なエリアを埋めるカバーリング能力が魅力。18歳で海を渡った菅原由勢はアカデミー時代の同期で、日本代表で再会を果たしている。

吉田麻也らベテランが不在で、冨安健洋も怪我で不参加となる中、センターバックとしてプレーしたのは板倉滉、瀬古歩夢、伊藤洋輝の3人。最終ラインでプレーした菅原と瀬古は同じ2000年生まれだったこともあり、藤井は刺激を受けたという。「ウルグアイ相手に自分のプレーがどう通用するか想像しながら見てました」と話し、出場機会はなかったものの、代表キャリアの貴重な第1歩目を踏みしめた。

DF:町田浩樹(ユニオン・サンジロワーズ/ベルギー

生年月日:1997年8月25日(25歳)

ウルグアイ代表戦:出場なし

コロンビア代表戦:出場なし

評価:なし

秋田豊、昌子源ら、日本を代表するセンターバックを輩出してきた鹿島アントラーズ出身の町田浩樹は、負傷した冨安健洋の代替選手として日本代表に初めて招集された。昨年1月に鹿島からベルギーのユニオン・サンジロワーズに期限付き移籍していた町田にチャンスが回ってきた。

190cmという恵まれた体格を持つ町田は、自らを「守備でリズムを作っていくタイプ」と評する。「サッカーの土台は鹿島で作られた」と話し、「代表に選ばれたのも鹿島で成長して海外に行けたからこそ」と、鹿島への感謝を忘れない。

昨夏に負った怪我の影響で今季前半戦は欠場が続いていたが、冬に復帰を果たした。身体能力に長けた選手が山ほどいるベルギーリーグで生き残る町田は「対人が多いベルギーリーグでできているところは出したい」と意気込んでいたが、今回は出場機会が回ってこなかった。

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