G大阪FW食野亮太郎「おれしかいないと」大阪ダービー初得点 終了間際に同点ミドル

◆YBCルヴァン杯 ▽1次リーグE組 G大阪1―1C大阪(26日・パナスタ)

G大阪FW食野亮太郎が大阪ダービー初ゴールで敗色濃厚のチームを救った。後半7分にDF三浦弦太バックパスがミスとなって1点を失い、追う展開で後半ロスタイム。エリア外右でパスを受けると、ドリブルで仕掛けて左足を振り抜いた。「今日はおれがやる。おれしかいない、って自分自身に言っていたんで」。ニアサイドへのシュートはGKの手をはじき、起死回生の同点ゴールが生まれた。

昨季途中に海外挑戦からG大阪に復帰。背番号も8番に変更してチームの中心を目指す今季は、開幕から波に乗れなかった。柏とのJリーグ開幕戦(2月18日)では先発したが、結果を残せずその後はリーグ戦ではサブに。ゴールへの思いが空回りするようなプレーも目立ち、ここまで公式戦は無得点。体のキレを取り戻すために、強度の高いトレーニングで追い込み、やっと思い描く状態に近づいていた。

しかしこの日もベンチスタート。「自分自身に対してフラストレーションがたまっていた。自分の出来に全然納得できなくて、悔しい思いもした。でもそれも全部自分のせいなので」。この日はベンチから出番を待ち、後半23分にピッチへ。右ウイングに入ったが、得意とする中央にも積極的にポジションを取り、結果につなげてみせた。

この日の試合前日には、奮い立つ出来事があった。昨年11月に誕生した長男をだっこしていると「僕のユニホームを見て、ああ、ああ、と言っていて。めっちゃかわいくて。まだしゃべれないんですけど、サッカーやりたいんやろうな、と。パパ、頑張るわって」。息子が誕生後の初ゴールで、自身とチームの悪い流れを断ち切った。

それでも「勝ちにつながるゴールを決めたかった。だからこそ、2点目を取りたかった。向こう(C大阪)のサポーターを黙らせるぐらい、圧倒的な力を示したかった」と話した食野。近年分が悪い大阪ダービーは、この引き分けで公式戦6戦未勝利(2分け4敗)。ホームでの連敗は5で止めたが、満足した様子はなし。この得点を、巻き返しのきっかけとすることを誓っていた。

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