6月にアジア杯、11月にはW杯も…U-17日本代表はアルジェリア遠征で再始動! 出発直前に大学生と練習試合
U-17日本代表は18日からアルジェリア遠征をスタートさせた。18日のアルジェリア出発前には千葉県内で流通経済大と練習試合を実施。同日夜には日本を発ち、22日にはU-17マリ代表と対戦。今回の遠征でアフリカ勢と3試合を行う。
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U-17日本代表の練習試合は、大雨が降りしきる中で行われた。参加予定だったFW徳田誉(鹿島ユース)がコンディション不良のため不参加。人数が一人欠けながら、出発前最後の調整を行う。対するは年上の大学生チーム。練習試合は40分×2試合の形式で行われた。
4-4-2の布陣を敷く日本の1本目は、GKが後藤亘(FC東京U-18)、4バックは左からDF吉永夢希(神村学園高)、DF土屋櫂大(川崎F U-18)、DF永野修都(FC東京U-18)、トレーニングパートナーのDF谷口輝(西武台高)。ボランチ2人はMF中島洋太朗(広島ユース)とMF宮川大輝(G大阪ユース)。左サイドはFW名和田我空(神村学園高)、右サイドはMF高崎天史郎(QUON FD)。2トップはFW道脇豊(熊本)とトレーニングパートナーのFW良知英祥(藤枝東高)が入った。
雨でボールコントロールが難しい中、最初にチャンスを作ったのは日本。6分、こぼれ球を拾った高崎がそのまま前進してシュートを放つ。惜しくもゴール枠外に外れた。18分にも高崎がこぼれ球奪取から前進し、PAライン付近から左足シュート。昨年末のトレーニングパートナー選出から今回正式に初招集となった新鋭が果敢にゴールを脅かした。
日本は神村学園コンビ・名和田と吉永の好連係で左サイドを切り崩す。24分には吉永のクロスに道脇が合わせるが、ゴール枠をわずかに逸れていった。チャンスを決め切れない日本は28分に失点を喫する。守備陣2人がかわされてミドルシュートを被弾。強烈な弾道を浴びてしまった。
34分、名和田が右足ミドルを放つも、相手GKの正面でキャッチされる。試合はそのまま終了。日本は0-1で1試合目を落とした。試合後にはPK戦を実施。先攻の流経大が4人まで全員決め切ったが、後攻の日本は1本目を道脇が決めるものの、2本目は名和田が、3本目は高崎が外してしまう。1-4でPK戦も敗れた。
日本は2試合目も4-4-2の布陣。GKは雨野颯真(前橋育英高)、4バックは左からDF小杉啓太(湘南U-18)、DF大石優生(三菱養和SCユース)、DF本多康太郎(湘南U-18)、DF柴田翔太郎(川崎F U-18)。ボランチはMF矢田龍之介(清水ユース)とMF佐藤龍之介(FC東京U-18)。左サイドはMF高橋旺良(中央学院高)、右サイドはFW高岡伶颯(日章学園高)。2トップはMF望月耕平(横浜FMユース)と良知となった。
10分、日本は矢田が右サイドの深い位置にスルーパスを出し、良知が折り返す。しかし、ゴール前の望月はボールに触れられず、決定機を決められない。19分には望月がこぼれ球を右足シュートするが、GKにセーブされた。
攻勢を保つ日本は20分に結実する。左CKを得ると佐藤が大きく右足キック。ファーサイドからの折り返しを、最後は高橋がゴールに押し込み、待望の先制ゴールとなった。
先制ゴールを決めた後、U-17日本代表はメンバーを1人変更。良知を下げ、谷口を投入。布陣は4-4-2から変えず、4バックは左から小杉、大石、本多、谷口。ボランチは矢田と佐藤。左サイドに柴田、右サイドに望月。2トップに高岡と高橋を置いた。
日本は26分に一瞬の隙を突かれ、長距離から豪快なシュートを沈められる。点差を守り切れず、1-1で試合終了。2試合目後もPK戦が行われ、先攻の流経大は3人目で失敗したが、日本は高岡、佐藤、矢田、小杉、大石の5人全員が成功。PK戦は5-4で勝利を収めた。
PK戦はカタールW杯での日本代表や、今月に行われたU20アジア杯でのU-20日本代表の敗因となった。森山佳郎監督は今回のPK戦練習の意図を語る。
「こういう練習で、その勝利にどのくらい何%かプラスになるかわからない。だけど外したり、コースが甘かった奴がこれじゃだめだなと思えるきっかけにちょっとはなる。GKも触れなくて悔しいというところからスタートになる。結局そのときはその場の雰囲気の中でやれるか、というメンタルが一番大事になるが、ただ技術的なところも、こういうのでちょっとは考えるきっかけにはするかなと。やらないよりはやったほうがいい」
U-17日本代表は、今年6月のU17アジア杯で準決勝まで勝ち進めば11月のU-17ワールドカップ出場が決まる。今回の遠征は、昨年12月のU-16日本代表としてのパラグアイ遠征以来の再始動。高校年代の若い選手たちはその間でも成長しており、森山監督は「今まで呼んできている奴がたくましくなっていることは感じた」と試合を振り返った。
FC東京トップチームに2種登録されていた佐藤は、今月8日のルヴァン杯で先発入りを果たし、さっそくプロの舞台を味わった。また、清水ユースの矢田は今月にマジョルカ(スペイン1部)のU-19チームのトレーニングに参加。指揮官は「プロのキャンプとか海外に行って、経験したこともまた自分の栄養に変えて、かなりたくましくなっている」と選手の成長に目を細めた。
若年層は短期間でも急成長する。6月にU17アジア杯を控えながらも、急成長した新戦力を見逃すことはできない。森山監督は今回も初招集選手を多く呼んだ理由に「下(の年代)になればなるほど、可能性は決めつけられない」と強調。
「そうすることで全体の層が上がったり、その中で競争して高いレベルに上がったりする。意図的にこっちも誰がレギュラーだよって固めないで競争させる」とギリギリまで主力を固定しないことを示唆した。
その一方で、これまで呼んでいた選手をあえて招集外にもした。「ちょっと成長が鈍化している奴は呼ばないで危機感を与えたり、いろいろしている。そういう奴がまた悔しいと思って戻ってきてくれればいい」。優しくも厳しい目を向け、6月のU17アジア杯、そして11月のU-17W杯の躍動を目指している。