G大阪劣勢はね返し、札幌と2-2の引き分け
前半と後半のG大阪は、別のチームのようだった。18日にパナソニックスタジアム吹田で行われた札幌戦。前半に2点を先行されたG大阪は後半、巧みな連係から2点を奪って試合を振り出しに戻した。勝ち越し点は奪えず、2-2で引き分けて開幕からのリーグ戦未勝利は5試合(3分2敗)に伸びたが、ポヤトス監督は「後半は選手たちの勝ちたい、何とかしたい気持ちが出た。選手たちはよくやってくれた。これから毎日、続けてやっていきたい」と前向きに話した。
試合開始3分で失点した4日の神戸戦、2分にリードを許した12日の広島戦に続き、この日も前半6分にセットプレーから先制点を奪われた。32分にも福田の不用意なバックパスを小柏にさらわれて追加点を献上。一方、攻撃は札幌の執拗(しつよう)なマンマークに遭ってボールをつなげない。主将の宇佐美を負傷で欠き、前半は劣勢を打開できない展開が続いた。
流れを変えたのは、後半11分に山本理、福田に代わって中盤に投入された石毛とダワン。豊富な運動量と強度の高いプレーで札幌のマンマーク網に穴をあけると、同14分にラビの抜群のスルーパスを右サイドの高い位置で受け取った半田がグラウンダーのクロス。石毛が合わせて1点差とした。2分後にもラビが起点となって、オーバーラップした左サイドの黒川からのクロスを杉山が折り返し、ゴール前に走り込んだファンアラーノが同点ゴールを決めた。
「相手がマンマークではめにきていたので、チームの強度を上げる働きを求められていた」とダワン。「エネルギッシュな選手を投入したかった。中盤でいい存在感、持ち味を出してもらいたかった」と石毛、ダワン投入の意図を説明した指揮官は「そこから、自分が見たかったG大阪の姿を展開してくれた」と2人をたたえた。
ただ、2得点の起点となったラビは追いついたことを評価しつつも「最初に失点が続いているので、しっかり修正していかないといけない」と強調する。後半の内容が素晴らしくても、前半のチームが顔をのぞかると試合展開は苦しくなる。立ち上がりの失点癖をなくせば、それだけ白星に近づく。(北川信行)