中村敬斗、日本代表初招集に「重みを半端なく感じて」オーストリアで今季14G7Aの左ウィンガー
サッカーの第2次森保ジャパンの初陣となる親善試合(24日・ウルグアイ戦、28日・コロンビア戦)のメンバー26人が15日、発表され、オーストリア1部・LASKリンツでプレーするFW中村敬斗(22)ら4人が初招集された。中村は今季同国リーグで得点ランキング4位の11ゴールを挙げてブレイク中の左ウィンガー。欧州の移籍市場でも評価を上げるアタッカーが、イングランド1部・ブライトンMF三笘薫(25)とのポジション争いに挑む。
はい上がり、たどり着いた。今季オーストリアで公式戦14ゴール7アシストと、同国でMVP級の活躍を見せた中村が、森保一監督の目に留まった。10代から将来を嘱望されながら欧州で苦難の道を歩んできたアタッカーは初招集を受けて「年代別代表とは違うA代表の重みを半端なく感じてとても緊張しています」と公式サイトでコメントした。
18年に三菱養和SCユースから17歳でG大阪入り。19年にはオランダ1部・トウェンテで欧州挑戦をスタートしたが、その道のりは順調ではなかった。20年に加入したベルギー1部・シントトロイデンは約半年で離れ、21年にはオーストリア2部のジュニアーズへ。日本ではなじみの薄い2部リーグでも、欧州でのプレーにこだわった。21年途中に同国1部のLASKリンツへ完全移籍。今では報道でリバプールの移籍候補にも挙がるなど、欧州で注目の若手アタッカーへと成長した。
持ち味は左サイドからの仕掛けと得点力。ドイツに近く、激しいデュエル(1対1の攻防)が特徴のオーストリアで力を磨いてきた。森保監督は会見で、「得点という結果と、左ウィンガーとして欧州で存在感を放っている選手。東京五輪世代でも招集させてもらった中で、成長も追ってきた。プロの世界、代表でも戦える力をつけてきた」と、選考理由を明かした。
左ウィングのライバルは、昨秋のカタールW杯で大活躍し、欧州を席巻するブライトンのMF三笘だ。中村も「三笘さんは高卒でプロを選ばず、大学で力をつけて今に至る。その考え方は人生の参考になる。僕もオーストリアという日本では注目されない場所にいるけど、焦らず力をつけたい」と目標にしてきた。日本で最も注目を集める三笘とのポジション争いで、22歳の若きサムライが新たな挑戦をスタートさせる。(金川 誉)
◆中村 敬斗(なかむら・けいと)2000年7月28日、千葉・我孫子市出身。22歳。三菱養和SCユースから18年にG大阪加入。19年7月にオランダ1部トウェンテに期限付き移籍。20年にベルギー1部シントトロイデン、21年にオーストリア2部ジュニアーズへ期限付き移籍、同年8月にオーストリア1部LASKに完全移籍。17年にU―17W杯、19年にU―20W杯メンバー選出。180センチ、73キロ。右利き。