寵愛する宇佐美への不変の信頼 ハリル監督「私はこの選手を信じている」 Soccer Magazine ZONE web 11月6日(金)7時40分配信

ハリル体制で唯一全試合に出場中

 ハリルホジッチ体制でここまで唯一全11試合に出場している宇佐美貴史に向けて、指揮官はあらためて厚い信頼感を口にした。5日に行われた日本代表のメ ンバー発表会見で、12日のシンガポール戦、17日のカンボジア戦に向けた23選手が選ばれたが、読み上げられたリストの中には宇佐美の名前が変わらずに あった。

「最 近少し疲れている気がする」とハリルホジッチ監督自身が指摘した通り、現在の宇佐美はシーズン序盤に見せたキレを失っている。リーグ戦19ゴールで得点ラ ンキング2位につけてはいるものの、セカンドステージはここまで15試合6得点。10月31日に行われたナビスコカップ決勝でも不発に終わり、チームもタ イトル獲得を逃した。

リーグ戦に加えてACLも準決勝まで戦ってきた影響で疲労が溜まり、明らかに得点力は下がっているが、今年3月のハリル体制発足以降、事あるごとに宇佐 美について言及してきた指揮官は、「フィジカル的に準備されていないのかもしれない。でも、彼は今シーズンかなりのことをやってきた。生活も変えたと思 う」と、ピッチ内外での努力を認め、今回の会見でも寵愛するアタッカーについての期待感を口にした。

「フレッシュな状態ではないのかもしれない。それでも能力がかなり高いので呼びました。日本のフットボールで、これほど能力の高い選手はいない。私はこの選手を信じています」

11試合2得点では物足りない

 ここまでハリル体制全11試合に出場して2得点という数字は、指揮官にとっても本人にとっても物足りないものだろう。対戦相手に格下のアジア勢が多かっ たことを考えても、「能力が高い」と指揮官が全幅の信頼を寄せる選手の実績としては寂しい数字だ。10月のワールドカップアジア2次予選における中東での 連戦でも、途中出場のシリア戦で3月のウズベキスタン戦以来のゴールを奪ったものの、5日後のイラン戦では4試合ぶりにスタメンに返り咲きながら不発に終 わった。

運動量や守備面にいまだ課題を抱えるも、その圧倒的な攻撃センスに惚れ込むハリルホジッチ監督。10代のころから天才と言われ、ドイツにも渡ったアタッ カーは「こんなものではないだろう」という指揮官の心の叫びを受け止め、日本サッカーを背負うに相応しい選手として一皮むけることができるだろうか。

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