FW坂本一彩がU―20W杯出場権に導く先制点「ゾーンに入った」ヨルダンに2発快勝
◆U―20アジア杯▽準々決勝 日本2―0ヨルダン(12日、ウズベキスタン)
U―20日本代表は準々決勝でヨルダンに2―0で勝利した。後半9分にFW坂本一彩(岡山)が先制点を決め、同25分にFW熊田直紀(FC東京)が今大会4得点目となる追加点。3大会連続11度目となるU―20W杯(5月~、インドネシア)の出場権を獲得し、坂本は「チームを勝たせられるゴールを決められたのは個人としてもうれしいし、W杯出場を勝ち取ることができて良かった」と喜んだ。
大一番で、燃える坂本が仕事を果たした。0―0の後半9分、FW北野颯太とともに敵陣でプレスをかけ奪いきると、北野が左サイドからエリア内に進入。折り返しにダイレクトで右足を合わせ、今大会2ゴール目となる貴重な先制点を奪った。「あの瞬間ゾーンに入っていたというかスローモーション入っていたというか。いつもだったらいろんな余計なことを考えるけど、あまり考えず枠内に収めようって感じでいったらあのコースに決められた。(ゾーンは)たまーにきます。めちゃくちゃうれしかったです」
持ち味とする前線からの守備を起点に決めた一発。今季G大阪から武者修行に出ている岡山で磨いてきた力も発揮された。仲間が次々と折り重なる激しい祝福の中心で、「だいぶ声出してました(笑い)」と雄たけびを上げた。
先発出場は1次リーグ初戦の中国戦以来。結果への意欲は、誰よりもあった。直近2試合、ベンチスタートとなった際にはメンタル面の維持も難しかったと明かす。それでも「自分の中でもとりあえず『気落とさんとこう』みたいな。やっぱり継続して自分のやるべきことを常にやってきたのが、今日出たのかなと思う」。コンディションも落とすことなく、準備を進めてきた。「スタートって聞いた時は正直びっくりした」というが、0―0でも「チャンスもいっぱい作れていた」と焦ることなく、じっくりと好機を待ち構え、大一番での起用に応えた。得点以外にも「奪う」意識を高く持って献身的にプレーし続けた。
今大会は、良き仲間の存在も坂本を突き動かしている。同じストライカーポジションのFW熊田直紀は1次リーグで3得点。この日も途中出場で追加点を決めた。「(準々決勝も)絶対くま(熊田)がトップに入って(自分は)途中からなんだろうなって感じだった。だからモチベーションは上がったし、やってやろうって気持ちは強くなった。くまに負けないようにっていうか、くまより点を取りたい気持ちはある」。第一関門を突破し、アジアの頂点まであとふたつ。お互いにまだまだ高め合い、ネットを揺らしていく。