【開幕特集】昨季はJ1参入POを乗り切り辛くもJ1残留…バランスの良い補強を敢行した京都サンガF.C. | J1リーグチーム紹介
2023シーズンの明治安田生命J1リーグ各クラブとキーマンを紹介する。
チーム紹介
J1復帰1年目となった昨季は、開幕戦で浦和レッズに勝利し、4月には2連勝を含め3勝1分と4試合負けなしの時期を作るなど、さい先のよいスタートを切ったかに思われた。だが、そのあとは思うように勝点が伸びずに中位から下位に停滞。第19節を最後に1ケタ順位に浮上することはできなかった。結局、シーズンラスト5試合は1勝3分1敗と勝ち切れない試合が続き、J1参入プレーオフに回ることに。昇格プレーオフを勝ち抜いてきたロアッソ熊本をホームに迎えた一戦では、引き分けたことで辛くもJ1残留が決定した。
巻き返しを図りたい今季はDF、MF、FWと万遍なく補強した。最終ラインには三竿雄斗が入り、中盤には平戸太貴を獲得。最前線にはパトリックや木下康介、一美和成といったタイプの異なるストライカーを加えた。残留争いに巻き込まれず、1つでも上の順位を狙うためにはシーズンを通して安定した戦いぶりが必要となる。
注目選手紹介
●MF 7 川﨑颯太
生年月日:2001年7月30日(21歳)
昨季成績:28試合1得点
成長著しい古都のダイナモだ。
トップ昇格1年目から一定の出場機会をつかみ、2年目の2021年に曺貴裁監督に才能を認められポジションを獲得した。一昨季は中盤の底でチームを司り、絶大な存在感を発揮。合計41試合に出場し、12年ぶりのJ1昇格の原動力となった。
J1初挑戦となった昨季もチームの心臓部に据えられ堂々たるプレーを披露。自慢のボール奪取力や的確な読みを生かしたインターセプトだけでなく、攻撃面でも成長を見せチームに欠かせない存在となっていった。
今季からはキャプテンに就任し、より一層の飛躍が求められる逸材であることは間違いない。来年に控えるパリ五輪でも中心選手としての活躍が求められるだけに、この男にとって今年1年は大事なシーズンになりそうだ。
●FW 9 パトリック
生年月日:1987年10月26日(35歳)
昨季成績:28試合5得点
日本でも実績十分なストライカーが次なる新天地に選んだのは京都だった。J1通算243試合86得点の実績を持つパトリックは、昨季、ガンバ大阪で28試合5得点の数字をマーク。ゴール数こそ伸び悩んだが、下位に低迷し残留争いに巻き込まれたチームにおいて獅子奮迅の活躍を見せた。特に終盤戦に発揮した勝負強さは心強く、5ゴール中4ゴールを終盤戦にゲット。その全試合でチームを勝利に導いており、35歳になったいまでもその頼もしさは健在である。
昨季の京都は深刻な得点力不足に悩み、それこそが下位から抜け出せなかった最大の理由でもある。その課題を解決するために長年Jリーグでプレーしているフィジカルモンスターの加入は心強い限り。豪快なゴールを連発し、数多くのゴールをもたらしたい。
●MF 39 平戸太貴
生年月日:1997年4月18日(25歳)
昨季成績:38試合9得点(J2)
J2屈指のゲームメーカーが再びJ1の舞台にたどり着いた。2016年に鹿島アントラーズユースからトップチームに昇格する形でプロの舞台に飛び込むも、リーグ戦の出場はゼロに終わり、翌年から2年間はJ2の町田ゼルビアでプレー。加入2年目の2018年には40試合で8ゴールの実績を残し、翌2019年には鹿島へ復帰を果たした。しかし、J1の壁は高く、たった半年で今度は町田への完全移籍を決断。大きな悔しさを味わった。
それでも、そこからの3年半は背番号10を背負い主軸として奮闘。2020年にはリーグ戦全試合でピッチに立てば、2021年には40試合、昨季は38試合とフル稼働し絶対的な地位を確立した。
満を持して“3度目”のJ1挑戦となる今回の決断には並々ならぬ思いと覚悟があるはず。正確無比な右足のキックを武器に、今度こそその力を証明したい。