G大阪FW宇佐美が感じた残留争いの重圧「良い天気で“幸せだな”と思っても、次の瞬間には…」

明治安田生命J1リーグ第34節 G大阪0―0鹿島(2022年11月5日 カシマ)

G大阪のFW宇佐美貴史(30)が見せた表情は喜びではなく、安堵だった。残留争いをするチームの中では最も早く試合終了。勝てば文句なしの残留だったが、鹿島と引き分けたためJ1残留は他会場の結果に委ねられていた。そして4分後。清水敗退、京都引き分けの一報が届き、J1残留が決定した。

「残留争いは、日常生活に支障をきたす」

今だから笑って言える。試合後の取材などでは何度も「不安はない」「重圧はない」と強調した。だが実は「おいしいご飯を食べていても、寝る前でも、朝起きて良い天気で“幸せだな”と思っても、次の瞬間には“でもな…”と思ってしまう。“次、負けたら終わり”というのが繰り返された。ズシッと重い感覚があった」日々。そんな自らを奮い立たせて、責任を背負った。

アキレス腱断裂から復帰した10月1日・柏戦以降は4試合2勝2分け。数字に残る記録はないが、縦横無尽に動き、抜群のボールテクニックで攻撃を牽引した。何よりも『宇佐美貴史』というシンボルはチームの勇気になった。同一シーズンではクラブタイ記録の4試合連続無失点を達成した守備陣の奮闘も大きいが、宇佐美がいなければ結果は違っていたかもしれない。

「きょうと明日は全力で気を抜いて、暴飲暴食します!」。自らのタスクを完遂した男は最後にやっと自然な笑みを浮かべた。

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