G大阪 食野が大仕事 アカデミーから育ててもらったチームのために…決意が生んだ先制点
◇明治安田生命J1リーグ第33節 G大阪2―0磐田(2022年10月29日 パナスタ)
各地で9試合が行われた。17位と18位による“裏天王山”はG大阪がFW食野亮太郎(24)とFWパトリック(35)のゴールで磐田に2―0で快勝。残留圏の15位に浮上した。敗れた磐田は1年でのJ2降格が決まった。
生き残った。G大阪が残留へ大きな一歩を踏み出した。最下位に沈む磐田との裏天王山。重苦しい展開が続く一戦で勝利をもたらしたのは、クラブを愛する男たちの執念だ。
後半21分に先制点を挙げた食野は胸を張った。「最近は左足の方が調子いいし、あのゾーンは得意なので。足を振り抜こうと思った」。同28分に見事なオーバーヘッドシュートを決めたパトリックは「メディカルスタッフを含めて全員で奪った勝利だ」と周囲への感謝を口にした。
食野は今夏、3年ぶりに古巣へ復帰。松田監督就任後は本来のFWではないサイドMFでの起用が続いた。だが「自分の欲は捨てる。このチームを落としたくないので」とアカデミーから育ててもらったチームのために与えられた仕事をやり抜くことを優先。その決意が、勝ち点3だけが求められる舞台で最高の結果を呼んだ。
8日の横浜戦で痛めた足の状態が万全ではなかったパトリックは「出る時にはチームのために戦う決断をした」とうなずく。歴代外国人ではクラブ最多出場記録を誇るストライカーの覚悟が、勝利を決定づけた。
17位から15位まで順位を上げた。11月5日の最終節は敵地で鹿島と戦う。勝てば文句なしの自力残留が決まる。食野は「やるべきことは決まっている。勝利に向かって一丸でやるだけ」と言葉に力を込めた。苦しんだ22年シーズン。最後は今季公式戦4戦全敗の天敵を打ち破り、最大のミッションを遂行する。
▽J1残留争いの行方 磐田のJ2自動降格が決まり、J1参入プレーオフ出場の16位を含めた残留争いは、5チームに絞られた。11月5日の最終節は、5チームすべてアウェー戦でJ1残留を目指す。16位以上が決まっている13位湘南は○か△、同じく14位福岡は○ならば無条件で残留が決まる。前節17位から残留圏の15位に浮上したG大阪も○で決定、17位清水は○が絶対条件で、G大阪が●、16位京都が△か●で逆転残留の可能性を残す。