J1・G大阪15位浮上 食野、残留へ次戦・鹿島に「勝たないと意味ない」

明治安田J1第33節(29日、G大阪2-0磐田、パナスタ)17位のG大阪は最下位の磐田に2-0で勝利し、15位浮上でJ2降格圏を脱出した。途中出場のFW食野亮太郎(24)が後半21分に先制ゴールを決めた。J1残留を懸けた11月5日の最終節はアウェーで鹿島と対戦する。

J1残留へ向けて必死に戦うガンバをFW食野が救った。後半21分、中央でボールを受けて切り返し、左足を一閃。DFの股を抜いたシュートがネットを揺らし、青黒のゴール裏へ走る。今季最多の2万7988人が詰めかけたパナスタの熱狂をかみしめた。

「とりあえず足を振ってやろうと思っていた。最近は左足の調子が良くて、練習通りでした」

7月にポルトガルから3年ぶりにチーム復帰。24歳のアタッカーは起爆剤になることを期待されたが、ここ9試合は得点がなかった。チームもJ2降格圏を脱せないなか、この日は後半15分から途中出場。自身のもどかしさも振り払う一撃に「結果を残せず、このチーム状況を招いてしまった。悔しさをいい方向に持っていければと思っていた」と胸を張った。

苦しみ続けたシーズンの最後に一筋の光が見えてきた。チームは低迷する8月に片野坂監督を解任し、松田新監督に残留を託した。「次の試合なんてない。この試合、瞬間に全てを懸けろ」と口酸っぱく選手の背中を押す指揮官のもと、9試合を4勝2分け3敗。残り1試合で15位に浮上し、11月5日の最終節で鹿島に勝てば、自力で残留を決められるところまでたどり着いた。

「次、勝たないとこの日の意味も全くなくなる。変わらず、勝つための試合をしたい」

食野は喜びに浸らず、すぐに気持ちを最終戦に向けた。ひとつ間違えれば、あまりにも多くを手放すことになる運命の90分。7日後の一戦へ、チーム全員で立ち向かう。

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