J1残留争いは最終局面へ。現実的には6チームの争いだが、”静岡ダービー”の結果次第ではさらに大混戦も | Jリーグ
【国内サッカー 最新ニュース】明治安田生命J1リーグの残留争いは、このミッドウィークを経てまた大きな動きがあった。大混戦となっているJ1への生き残りをかけたバトルを各チームの残り試合を踏まえて展望していく。
ミッドウィークを経てJ1残留争いはさらに行方が分からなくなった。
10月12日に、当該チームの中で試合があったのは、京都サンガF.C.、湘南ベルマーレ、ジュビロ磐田の3チーム。逆転優勝を目指す2位・川崎フロンターレに1-3と完敗した京都と、ヴィッセル神戸との直接対決に0-1で敗れた湘南がともに勝ち点を伸ばせなかった。一方で瀬戸際に立たされている最下位の磐田が、優勝が懸かっていた首位の横浜F・マリノスを1-0で撃破し、残留ラインの15位まで勝ち点「6」差に詰め寄っている。
この結果を受けて現実的には13位以下の6チームから自動降格の2枠とJ1参入プレーオフに回る1枠が決まりそうな流れではある。10位・ヴィッセル神戸と11位・名古屋グランパスにはJ1参入プレーオフ圏、12位の北海道コンサドーレ札幌には自動降格の可能性が数字上は残されているが、そのケースはまれなためほぼ残留を決めている状況と言える。対照的に下位6チームは、13位の湘南ベルマーレから17位の清水エスパルスまでは勝ち点「3」差と大混戦。さらに最下位の磐田も残留への執念を見せており、今年のJ1残留争いは最終節までもつれそうな雰囲気が大いに漂っている。
その中で最もシンプルなのは、瀬戸際に立たされている磐田だ。数字上は残り3試合で2勝すれば残留ラインに並ぶが、「-23」の得失点差や残り3試合が清水、G大阪、京都との直接対決であることを踏まえると、一つの負けが相手に勝ち点を与えることを意味するだけに全勝が必須。ただ追い求める結果が明確な分、心理的には常に追う立場で戦うことができる。ここからの反撃を期待したい。
降格圏に沈んでいる17位の清水ではあるが、まだ自力で残留を決められる状況だ。残り3試合を全勝すれば、勝ち点「41」に到達。他クラブの結果に関わらず、京都、福岡、G大阪の3チームを上回ることができる。懸念材料は、直近4戦で1分3敗と失速気味な点。次の静岡ダービーの結果が大きなポイントになりそうだ。
対照的に16位のG大阪は、自力では残留に届かないケースがある。磐田と鹿島アントラーズとの残り2試合を連勝し、勝ち点「39」に到達できても、湘南、京都、福岡、清水が全勝した場合は下回ってしまう。それでもクラブ史上初の降格を味わった2012年の悲劇を繰り返さないためには、残り2試合を勝ち切る姿勢が必要だ。
今は残留ラインにいる湘南、京都、福岡の3チームは、残り2試合で一つ勝てば残留に大きく前進する。残り2試合は、湘南がサガン鳥栖と柏レイソル、福岡も柏と浦和レッズとどちらも中位のチームが相手。一方で京都はAFCチャンピオンズリーグ圏の可能性を残す4位・セレッソ大阪と磐田。この対戦カードの違いがどう影響を及ぼすか。最後の最後で残留争いの行方を決めるポイントになるかもしれない。
また、10月22日に行われる延期分の第31節では清水と磐田が直接対決。この静岡ダービー”の行方が各クラブの行方も大きく左右する。磐田が勝利すれば、神戸、名古屋が残留が確定し、札幌は自動降格の可能性が消滅。本格的に6チームによる『2+1』の枠を懸けた争いが始まる。清水が勝てば、磐田がほぼ残留の道が途絶えるだけでなく、一つずつ順位が下がる京都、福岡、G大阪はより緊迫した状況となり、さらには神戸、名古屋、札幌までを巻き込む可能性も出てくる。今回の静岡ダービーは、その一戦に臨む磐田と清水はもちろん、各クラブの残留の行方も懸かっている運命の一戦となりそうだ。