G大阪0点敗退「秘策」宇佐美後半投入も不発 日刊スポーツ 10月22日(木)8時1分配信

<ACL:G大阪0-0広州恒大>◇準決勝第2戦◇21日◇万博

日本代表FW宇佐美貴史(23)が、G大阪を7年ぶりの決勝へ導けなかった。広州恒大(中国)との第2戦は引き分けて、2戦合計1-2で無念のベスト4 で敗退となった。強行日程が続く宇佐美は疲労を考慮され、後半15分から途中出場。果敢にゴールを狙うも1点が遠く、08年以来のアジア王座を逃した。決 勝は広州恒大とアルアハリ(UAE)の顔合わせとなった。

1万7310人が埋め尽くした万博に敗退を告げるホイッスルが鳴り響いた。歓喜する13年王者の広州恒大を横目に、G大阪の選手は次々と天を仰いだ。宇佐美は下を向き、必死に現実を受け入れようとしていた。

エースの出番は後半15分からだった。0-0で迎えた同39分、ペナルティーエリア外でボールを奪うとDFに囲まれながらも強引に突破した。「ベストを 尽くすだけ」。1-0か2点差以上の勝利で逆転突破が決まる。1点を取るため、左足で絶妙のシュートを放った。しかし、惜しくもポストのわずか右を転がっ ていった。

長谷川監督の秘策だった。宇佐美は日本代表の中東遠征で2試合に出場。長距離移動を含め中3日で浦和戦に臨み、疲労がたまっていた。「スタートから行っ て大事な時間に足が止まると、我々の武器を生かし切れないと思った」。無失点で粘り、相手に最後に大打撃を与えるため、あえてエースを温存した。役割を理 解していた宇佐美は「あの(後半39分の)シュートを決め切れていれば…」と、悔しそうに唇をかんだ。

開幕前から掲げてきたアジア王者の目標には届かなかった。しかし、指揮官は「素晴らしいACLを経験させてもらった。チャンピオンシップ(CS)で優勝 して日本代表権を取り、クラブW杯にいきたい」。現在CS圏内の年間3位東京とは勝ち点2差。CSで勝ち抜けば、世界ともう1度戦うことができる。G大阪 の夢の扉はまだ閉ざされていない。昨季に続く国内3冠の可能性もある。この悔しさを晴らす舞台はすぐそこにある。

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