G大阪・小野社長、片野坂監督の契約解除に「心中したいのが本音だった」
J1G大阪の小野忠史社長(61)と和田昌裕取締役(57)が17日、オンラインで記者会見に臨み、この日発表された片野坂知宏監督(51)の契約解除と、松田浩コーチ(61)の新監督就任について説明した。
苦渋の決断を終え、和田取締役は「結果が出なかったことが一番」と解任の理由を繰り返した。今季からクラブの再建を片野坂監督に託し、24試合で勝ち点22。小野社長は「選手もなんとか片野坂監督に勝利をと発言していた。チームの一体感は昨年からの大きな変化だった。できるところなら片野坂氏と心中したいのが本音だった」と複雑な心境を吐露した。
直近の成績が判断材料のひとつになったことを明かした。7月30日の京都戦から8月14日の清水戦(福岡戦は延期)を「注意深く判断せざるを得ない3試合」に設定。勝ち点6以上を臨んだが、1分け1敗に終わった。「リードした試合で終盤に追いつかれてしまい、0-0で終われるような試合も落としてしまう。チームに踏ん張りどころが植え付けられなかったのは正直なところ」と和田取締役は語った。
さらに「監督は期間ごとに何試合で勝ち点いくつと、シーズン前に選手にも共有していた。そうやって勝ち点を設定しながらも、試合が進むとそれを達成できない状況が続いて、17位になった中でここから勝ち点を積み上げないと残留が出来ない中で、(交代を)判断せざるを得ないタイミングだった」と細かい勝ち点見込みの中で大幅なズレが起こっていたことを説明した。
9日にコーチとして招かれた松田氏は、あくまで片野坂監督の補佐役として呼んだことを強調。「違った目でチームを見てもらうことで、特に守備面でプラスアルファが出ればいいと思ってお願いしましたし、こういうことありきで松田さんにお願いしたわけではない」と和田取締役は口にした。片野坂監督が連れてきたコーチ2人は留任し、松田新監督にこれまでの取り組みを伝える役割を担う。
この日の練習から指揮を執った松田新監督は、約2時間のミーティングで目指すサッカーなどを共有した。具体的な数値目標はなく、残留のために全てを懸ける最後の体制がスタートする。