J1清水 乾貴士が今季初の連勝を呼ぶ 14日・G大阪と残留争い直接対決
J1清水エスパルスは14日、G大阪と対戦(午後7時、パナスタ)する。13日はアイスタで調整した。左サイドで先発濃厚なMF乾貴士(34)にとっては、C大阪時代に「大阪ダービー」を戦ってきた相手との一戦となる。今季初の連勝へ「誰が点を取ってもいいと思っている」と勝負に徹し、残留争いの直接対決を制す。
穏やかな口調に闘志を込めた。アイスタでの最終調整を終えた清水のMF乾は「応援が力になっている。勝利で応えたいです」。相手はC大阪時代に「大阪ダービー」でしのぎを削ってきたG大阪だ。リーグ戦では11年3月以来の対戦に「知っている選手も何人かいますし、楽しみです」と意気込んだ。
熟練の技で、清水に新風を吹き込んでいる。かつて鋭いドリブルを武器としたアタッカーは「キレは落ちていますけど、周りを生かすことはできる」と、巧みなボールキープと広い視野を生かしたパスで好機を演出。加入後の攻撃陣は2戦で計5得点と“乾効果”は確実に現れている。
若手の成長も促している。大卒1年目でリーグ2位の6アシストをマークするDF山原怜音(23)を「(長友)佑都くんに似ているところがある」と称賛。「攻撃的な選手なので、そこを発揮させてあげたい」と左サイドで山原が攻め上がる時間をつくり、高精度のクロスを生かしている。
サッカーへの姿勢に、周囲の選手も刺激を受けている。乾との居残り練習に励んだU―22日本代表MF松岡大起(21)は「一つ一つのボールタッチ、(トラップから)ボールを置く位置…。見て勉強させてもらっています」。合流直後から若手が次々と乾の下へ集まり、技術を目で学んでいる。
入団から約3週間。ピッチ内外で存在感を示すベテランは既に、清水に欠かせない存在だ。「練習から全力で明るく、楽しくやっているだけ。それを続けていければいい」と笑顔を見せ「誰が点を取っても、勝てればいいと思っている」。今季初の連勝と残留争い脱出へ―。上昇気流に乗る清水を、乾が引っ張っていく。