サッカーコラム 恐るべきパリ・サンジェルマン人気 熱狂的ファンがこんなにいるとは…

【No Ball、No Life】

フランス1部の強豪、パリ・サンジェルマンが日本での親善試合3試合で3連勝を飾った。開幕直前の合宿を日本で行い、新シーズンへ大きな弾みをつけた。

「日本にまた来ることができてうれしいよ。日本のサッカー熱はすごいし、ここ数年で、日本サッカーは大きな成長を遂げている」

アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(35)は7月17日の来日会見でこう断言。ブラジル代表FWネイマール(30)も席上、「日本のチームはよく走るし、統率がとれている」と警戒。だが、ふたを開けてみると、彼らの圧勝劇に終わった。

〝全員超人〟と呼ばれる世界的なプレーヤーが在籍するスター軍団を一目見ようと、熱狂的なファンはもとより〝にわか〟ファンや、そこまでサッカーに興味がない人々までも、こぞってスタジアムに集まった。

20日の川崎戦は、国立競技場の改築後最多となる6万4922人。23日の浦和戦は埼玉スタジアムで行われ、観衆は6万1175人。同スタジアムでの浦和戦では、2006年12月2日のJ1リーグ、G大阪戦での6万2241人に迫る大観衆が集まった。そして25日のG大阪戦はパナソニック吹田スタジアムで観衆は3万8251人。同スタジアムでのG大阪戦の最多観客数となった。3試合で実に、16万人を超えるファンが集結したことになる。

試合日だけではなかった。18日には東京・秩父宮ラグビー場で全体練習を公開。入場料は4500円(小中高生2000円)だったが、1万3370人が集結。メッシやネイマールがボールを蹴るたび「ウオーッ」という大歓声が上がった。

練習後には〝珍事〟もあった。1人の子供がピッチに乱入。メッシが〝神対応〟で子供のシャツにサインした。ここまでだったら微笑ましい光景で終わったのだが、その後に数人の大人が乱入し警備員に取り押さえられた。23日の埼玉スタジアムでは、関係者に紛れ込んだ2人組の一般男性が試合後に報道スペースに乱入。メッシらにサインをせがんだ。すぐに退去させられたが、現場では警備の甘さが指摘される事態になった。

サッカーでのファンの乱入騒動は久しぶりの光景だった。現在の日本代表ではどうか。試合に敗れてネット上でたたかれることはあっても、スタジアム周辺で熱狂的なファンに囲まれる騒動などはなくなったように感じる。日本代表に欠けているもの、それは〝スーパースター〟と呼ばれる存在がいないことなのかもしれない。

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