三谷紬アナがJリーグに惹かれる理由 こだわりのサッカー観戦法は“ボランチ経由の展開”
【インタビュー】りんたろー。&せいやと共演する「ラブ!! Jリーグ」でライト層にもアプローチ
2022年はいわゆる“ワールドカップイヤー”で、サッカー界全体の盛り上がりが期待される。ヨーロッパでプレーする欧州組の割合が年々増えているなかで、日本サッカーの基盤を担っているのはやはりJリーグだ。現在、地上波で数少ないサッカー番組「ラブ!! Jリーグ」に出演するテレビ朝日の三谷紬アナウンサーに、Jリーグ愛を存分に語ってもらった。
【ギャラリー】“Jリーグ大好き”テレビ朝日・三谷紬アナウンサーのアナザーカット
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――2022年4月からスタートし、三谷さんも出演するサッカー番組「ラブ!! Jリーグ」の見どころを教えてください。
「Jリーグにとって、2022年シーズンは開幕して30年目になります。Jリーグがスタートした当時、例えば、(元日本代表FW)三浦知良選手(鈴鹿ポイントゲッターズ)や(元日本代表MF)ラモス瑠偉さんたちがプレーしていた試合を見ていたファン・サポーターの方で、今は少しサッカーから離れてしまっている方もいるはずなので、『ラブ!! Jリーグ』をとおして改めてJリーグを見てみようと思っていただきたい気持ちがあります。同時に、この番組はJリーグやサッカーを知らないライト層の方にも向けていて、『サッカー面白そうだな』『Jリーグはこんな身近なところでやっているんだ』と知って、スタジアムに足を運んでいただきたいと考えています」
――「初心者大歓迎」と打ち出していて、ライト層にとっては貴重な番組だと思います。
「サッカーはどこか、専門性が高いイメージがある気がします。知らないと少し取っつきにくくて、きっかけがないと試合を見に行くことはなかなかないかもしれません。『ラブ!! Jリーグ』は、試合の内容はもちろん、開催されているイベントや美味しいスタジアムグルメなど、サッカーを取り巻くいろんなことをお伝えしているので、それを知ると1つのエンターテインメントとしても捉えていただけるのかなと思っています」
――共演している「EXIT」のりんたろー。さん、「霜降り明星」のせいやさんの印象、心がけていることを教えてください。
「プライベートでもとても仲のいいお2人で、安心してついていかせてもらっています(笑)。りんたろー。さんはJリーグの試合をたくさんチェックされていてとても詳しいので、私も頼らせていただいている部分があります。せいやさんはサッカーが詳しいだけでなく、なんでも拾ってくださって、番組のバラエティー要素の部分を支えてくださっています。個人的に『ラブ!! Jリーグ』においてバラエティー要素は大事だと思っていて、15分という短い時間の中でこの番組を見て笑ったなと思っていただけたら嬉しいです」
Jリーグは「次なるスターを見つけるにはうってつけの場所」
――サッカーに惹かれたきっかけは、ご家族がサッカー好きだった影響が大きいと伺いました。
「父親を筆頭に家族はサッカーが大好きで、日本代表の試合は一緒に見ようとイベント化されていました。ピザとかコーラを買って、みんなでワイワイ見ていましたね。きっかけは小学4年生だった2004年のアジアカップで、準々決勝ヨルダン戦の田畑(祐一)さんの実況に自分も会場にいるようなドキドキ感を覚えた記憶があります。(元日本代表DF)宮本恒靖さんがPKのサイド変更をレフェリーに交渉して、『サッカーはこんな面白いことがあるんだ』『いつか試合に行ってみたい』と思いました。果敢に挑戦して、自分の意思を通して、日本を勝利に導くことも必要なんだと、宮本さんの人間としてのカッコ良さに心を打たれました」
――改めて、三谷さんが感じるJリーグの魅力は?
「近年、海外に出ていく選手が多いのも、Jリーグで活躍しているからだと考えていて、次なるスターを見つけるにはうってつけの場所。例えば日本代表で活躍する三笘薫選手(川崎フロンターレ→ブライトン→ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)のように、早いうちから自分が目をつけて、のちに日本を背負っていく存在を見つけられると思います」
――サッカーにおける一番の思い出、印象に残っている試合は?
「大会決勝を初めて取材したのが、湘南ベルマーレと横浜F・マリノスが対戦した2018年のルヴァンカップでした。湘南ベルマーレはそのシーズン、リーグ戦では苦しんでいた(13位)なかで、ルヴァンカップに対する思いが強かったんです。曺貴裁監督(現・京都サンガF.C.監督)の下、杉岡大暉選手、齊藤未月選手(現・ガンバ大阪)、鈴木冬一選手(現ローザンヌ・スポルト)ら若手で泥臭くサッカーをやってきた湘南ベルマーレと、スマートに勝ち上がってきた横浜F・マリノスの一戦は、選手のみなさんの試合に臨む姿、サポーターの方々の目線、すべてに感激してしまって、涙を流しながらカメラを回してレポートをしていた記憶があります。勝利への思い、優勝の重さを実感しました」
――普段、どのようにJリーグ情報を収集していますか?
「毎節の注目試合は極力オンタイムで見るようにしていて、難しかった場合は各試合のハイライトをチェックしています。関東県内の試合は仕事がなければ会場に行きたいと思っているので、行かせてもらうこともあります。ネットニュースの記者さんの評価も見たりしながら、勉強させていただいています」
――サッカー観戦の際はどういった視点で見ていますか?
「私はミッドフィールダー(MF)が好きで、ボールの流を見る癖があります。シュートよりもそこに至るまでの過程、どういう選手が関わって生まれているかつい見てしまいます。あとは、監督を見るのも好きです。チームによって監督のキャラクターは全然違って、90分間エモーショナルに指揮される方もいれば、一度もベンチから出てこない方もいます。私はどちらかと言うと、ヒートアップする熱い監督が好き。このご時世でどうしても声が出せないので、自分の感情を代弁してくれているような気持ちになってすっきりします(笑)」
サッカーは「私にとっての夢」
――三谷さんのいわゆる“推し選手”は?
「ガンバ大阪の宇佐美貴史選手です。実は私、球技がすごく苦手なんです(苦笑)。自分が絶対できないので、細かいタッチやドリブルに憧れがあって、宇佐美選手の独特なリズム感のドリブルと突破力が好きです。今シーズンは怪我(右アキレス腱断裂)で長期離脱となってしまいましたが、私の1歳年上で、頑張ってほしい存在です。以前、YouTubeのダイエット企画にもサプライズで出ていただいて、『10キロだと痩せすぎだから、8キロでいいんじゃない?』と言ってくださり、すぐに方向転換したくらい、私にとっては神様みたいな存在です(笑)」
――まだサッカーにあまり詳しくいないという女性に、メッセージを送るとしたら?
「先日、『ABEMA』のサッカー情報バラエティー番組『FC町田ゼルビアをつくろう~ゼルつく~』に呼んでいただき、FC町田ゼルビアのホームゲームに行きました。一緒に出演したクリエイターのねおさんは、それが初めてサッカーを見る機会だったんです。『どうでした?』と感想を聞いたら、『サッカーも楽しかったですけど、ご飯も美味しかったし、ユニフォームで写真を撮ったりするのが楽しかった』とおっしゃられていました。仮にサッカー観戦がメインではなくても、かわいいグッズが売られていたり、アミューズメントパークに行くような感覚できっと楽しめるはず。まずはサッカー以外の目線から入って、そこからサッカーを好きになっていただけたら嬉しいです。
以前に比べたら、Jリーグの話をして伝わる友人も増えてきた気がします。地域創生を担っている点では、自分の生まれ故郷のチームがどんな企画をやっているか、おのずと気になるのではないでしょうか。Jリーグはより地域密着型で、裾野を広げていろんな人が入りやすくなっていると思います」
――三谷さんにとってサッカーとは?
「私にとっての夢です。社会人になる時もサッカーに関わりたくて仕事を選びましたし、今でも週末にサッカーを見ることを楽しみに、毎日仕事を頑張っているような感じ(笑)。選手のみなさんの活躍が私の活力になっています」
[プロフィール]
三谷紬(みたに・つむぎ)/1994年生まれ、千葉県出身。2017年4月にテレビ朝日に入社し、18年~20年には「やべっちFC」の進行、取材キャスターを担当。趣味のスポーツ観戦の中でもサッカー愛は強く、日々の情報収集は欠かさない。“推し”のサッカー選手はガンバ大阪のFW宇佐美貴史。現在はサッカー番組「ラブ!! Jリーグ」(毎週土曜、午前11:15~11:30)に出演している。